雲外蒼天-本編- | ナノ


▼ 強者との邂逅-おまけ-


「組頭……、恐らく奴は忍術学園の者かと。それに"鴉"と言うことは…。」
「我々の偵察に来たって意味だろうね。」

後ろで控えている陣内は私の返事に難しそうな顔をした。そんな顔してたら子供が泣いて逃げちゃうよ、陣内。

「陣左の方は?」
「高坂はまだ子供達を追っていますが、もう1人忍術学園の者が相手しておりますので撒かれるかと。」

陣内の言葉にふぅんと返す。だが私の頭の中は先程の彼との戦闘のことでいっぱいだ。面白い。そう素直に思った。陣内も彼に対して少し気になっているようだ。そうだよね、あれだけの実力を見せつけられたらそうなるよね。

「ねぇ陣内。彼、尊奈門と対して年齢変わらないぐらいだよね。」
「ええ、恐らく。」
「今度、タソガレドキに勧誘してみようかな。」

きっと尊奈門なんてあっさりやられてしまうであろう彼の強さに私はもう興味津々だ。知りたい。彼の事をもっと知りたい。くくっと笑えば、陣内は呆れた顔ではあ、とため息を吐いた。

「組頭に目をつけられた彼に同情します……。」



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鴉は昔から視力が高い、見分ける知能もあるということから、神話や伝承において斥候や走駆や密偵や偵察の役目を持つ位置付けで描かれることが多いらしいです。

ちなみに夢主が"鴉"だとわざわざ言ったのは忍術学園側が少しでも優位に立っているように見せるための挑発です。



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