雲外蒼天-本編- | ナノ


▼ 園田村からの相談-04-

オーマガ組
乱太郎.団蔵.金吾
引率:土井半助

タソガレ組
庄左ヱ門.伊助.兵太夫.三治郎.虎若
引率:山田伝蔵

「「「僕達も喜三太を探しに行きたいですっ!」」」
「いやあ…、選抜チームとの合流もあるしバランス?」
「両軍の印を取るのが目的なんだぞ。我慢しなさい。」

まあ、皆の気持ちもわからなくないんだけどね。でもきちんと聞き分ける彼らに俺は偉い偉いと頭を撫でまわした。

「あ、蓮夜さんはどーするんですか?」

兵太夫にちょいちょいと袖の裾を引っ張られる。「喜三太を探しに行くんですか?」と首を傾げたのを見て俺はしゃがみこんで彼らと目線を会わせた。

『ああ、俺はオーマガ組とは一緒にいかないよ?ちょっと厄介な奴の元に行かなくちゃいけないからね。』

学園長先生も無茶を言うよな、本当。あの忍軍の様子を探ってこいなんてさ。
は組の皆は俺の発言で頭の上に?を浮かべる。それに俺は少し苦笑を漏らした。まあ詳しく教えれないんだけどね、と。




「新学期早々出入りが激しくて大変だったなぁ。でも宿題事件でみんなに迷惑かけたから頑張らないと。」
『あ、小松田さん。出門票にサイン書かせてもらえますか?』

前からとことこと歩いてきた小松田さんに声をかけサインをさらさらと書く。
先程から少し気になっている気配。それは学園の人間じゃないものだ。まだ動きは見せてないけれど、もしこの気配を追って学園の外に出たとき小松田さんに邪魔されたら困るからさっさとサインを済ませる。

『じゃ、行ってきます。』

門を出てから、自分の気配を断ち曲者の近くの木の枝の上で息を潜めた。
しっかし考えただけでも胃が痛くなるような忍務だな、こりゃ。あの強者のいるタソガレドキ軍の動向を探れとか…。俺、怪我で済むかな。

学園長の無茶ぶりに頭を抱えていれば、気配に動きが見えた。たぶん忍術学園のサイドワインダーこと小松田さんに見つかったんだろうな。あの人のアンテナ凄いから。そっと敵を追いかければ後ろの方から聞こえてきた仙蔵と小松田さんの声。どんな会話かは聞こえなかったけれど、まあ何となくは予想ついた。

俺、サインしといて良かった。



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