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「まぁ、そんなわけで今までの反抗から考えて
                犯人は若い女性を狙っているようです。」




『はぁ・・・。』





「年齢以外には特にこだわりはないみたいですね。
         写真にもあるようにターゲットの容姿はバラバラです。」



『はぁ・・・』




「つーことはだ、お前はただ女の格好してフラフラしてりゃあいいんだよ。」





『はぁ・・・。』










「・・・・・・テメェ、ちゃんと話聞いてんだろうなぁ・・・。」





あまりにも気の抜けた俺の返事に、痺れをきらしたのか
うっすらと土方さんは青筋を立てる。




『失礼な。ちゃんと聞いてましたよ。』











聞く気はなかったけど




「まぁ、よかったじゃねェか。美人しか狙わねぇような犯人だったら
                  さすがの俺たちもお手上げでさァ。」



『・・・・どういう意味ですか・・・』



「そういう意味でィ。」






『・・・』



「ま、まぁまぁ。それでですね。これから早瀬さんに
              女性の格好をしてもらいたいんですけど・・・」



少し総悟とにらみ合いになった俺をなだめるように
さっきまで俺に詳しく説明してくれた山崎さんが話を続けた。



そらまぁ、俺は美人じゃないことくらい自覚してるんで
そんなあせらなくても大丈夫ですよ・・・



『まぁ、大体分かりましたけど・・・
        その着物とかってどうすればいいんですかね・・・。』



「あぁ、それなら山崎のを使うといいだろう。」


近藤さんはそういって山崎さんの方へと視線を向ける。




え、なんで山崎さん?



「そうですね。」



山崎さんも近藤さんの言葉に当たり前のようにうなずく。




なんですか?山崎さんはそういう趣味がおありな方?



「・・・なんかよからぬ事を考えてるみたいなんで言っときますけど、
            別に俺、女装癖があるわけじゃないですからね。」



なんとも言えない表情で俺が見ていたことに気づいたのだろう、
山崎さんは口元をひくりとふるわせた。



『やだなぁ・・・そんなこと思ってませんよ。
                でも何で山崎さんが女性用の着物を?』



「俺、監察なんですよ。隠密活動でそういうのが必要になってきたりするんです。」



『あぁ、なるほど。』


「それじゃあ、話はこれくらいにして・・・早瀬さんついてきてください。」



そういわれ、俺は腰を上げると仕方なしに山崎さんについて行くことにした。






 


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bkm
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