3
そんなわけで・・・・



ついに来てしまった真撰組屯所。


ちなみにココに来るのは二回目だったりする。






電話を切った後、何事かと神楽達に聞かれたけど
知り合いからの電話だったといって万事屋を出てきた。



銀さんはなんか納得いかない顔してたけど
まぁ、嘘はいってないしね・・・。




ていうか・・・・




『気が重い・・・・。』





入り口を前に、ため息混じりにポツリとつぶやいた。


すると、



「あの・・・真撰組になにか御用でも・・・?。」



と、控えめな声が聞こえた。


視線を向けると、そこには黒髪の大人しそうな・・・
ぶっちゃけ地味目の男が立っていた。



『あっ、えっと・・・その。呼ばれてきた早瀬なんですけど・・・。』



「あぁ、アナタが沖田隊長の言ってた・・・。」



話はちゃんと聞かされていたのだろう。
その男は山崎 退と名のった。


丁寧な口調で優しそうな人だ。



「えっと・・・あの、失礼ですけど・・・女性、なんですよね・・・?。」



気まずそうに頭をかきながらそう質問する山崎さんに俺は苦笑いを浮かべる。



『まぁ、一応・・・』



「・・・すいません変なこと聞いて。」



申し訳なさそうに言う山崎さんを見て俺は正直驚いていた。




こんな常識人が真選組にいたとは・・・



『気にしないでください。俺が自分で分かっててこんな格好してるんで・・・』



若干微笑みかけると、彼はほっとしたような表情を浮かべた。



「あ、どうぞ入ってください。隊長たちも中で待ってるんで。」



それを聞いて俺は案内をしてくれるのだろう山崎さんの後についていった。









「近藤局長、早瀬さんをお連れしました。」



「あぁ、入れ。」




山崎さんのに返された声。
それは何処か威厳のあるような低音。



おそらく『局長』と呼ばれた人物のものだろう。


俺はいつの間にか握り締めていた拳に目をやった
どうやら柄にもなく緊張していたらしい。



そんな自分に若干苦笑いをこぼし、
山崎さんの後に続いて部屋の中へと足を踏み入れた。







 


prev next

bkm
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -