1 [sid K]

その日の夕方四時ごろ、万事屋にいたのは私と新八の二人だけだったアル。


いつもなら仕事があるため
早めに夕食の用意をしているはずの由良は、


なんだかよくわかんないけど朝からいなかったネ
そんで、銀ちゃんもアネゴにつれられてどっかに行ってしまったアル。


おかげで私はこんな駄眼鏡と二人で過ごすことに・・・




「・・・ちょっと、神楽ちゃん。そんなにゴロゴロしてるんだったら
                  定春の散歩にでも行ってきたら?。」



「うっせーんだヨ駄眼鏡が、定春の散歩なら昼に行ってきたところネ。」




「誰が駄眼鏡だァァァァァ!!何?!反抗期!?。」




騒いでる新八はほっといて、私は変わらずソファーでゴロゴロ・・・




「・・・オイ、新八・・・暇アル・・・。」




「えぇっ?!そんなの知らないよ、僕にどうしろっていうの。」



露骨に嫌そうな顔をする新八はなんかむかつくネ



「楽しませろよ、この私を・・・」


「は・・・・。」



「お前の全身全霊で私を楽しませろよ。」





なんでそんなこと僕がしなきゃいけないんだ。
まさに新八がそう言おうとしたときだったアル。


玄関のほうで扉の開く音がしたネ




「あれ・・・銀さん帰ってきたのかな・・・?。」




新八にも聞こえたのか、そうつぶやくと玄関のほうに歩いていったアル。


いつもなら、新八にまかせて私はこのままここにいるけど
今日は暇だったからなんとなく新八について玄関に行ってみたアル。




「あぁやっぱり銀さんですか。思ったより早く帰ってきましたねぇ。」




まぁ、予想通りというか、そこにいたのは銀ちゃんだったアル。
これで新八と二人っきりはなくなったから、暇はつぶせそうネ。




「銀ちゃん私お腹すいたアル、なんか作ってヨ。」




そういって、銀ちゃんの腕を引っ張ったら
あることに気づいたアル。




「・・・誰アルか?。」




銀ちゃんの後ろに、なかなかべっぴんな女が立ってたヨ。
まぁ、私には負けるけどな。


私の言葉で新八も気づいたように目を丸くして銀ちゃんのことを見てるネ。



「ぎっ、銀さん、まさかコレ、あの、いくらキャバクラ行ったからって
                   アレ、お持ち帰り的な・・!!。」


「何、馬鹿なこと言ってんの?やめてくんない?」



新八の言葉に銀ちゃんはめんどくさそうに頭をかきながら眉を寄せたネ。



「つーかお持ち帰りって・・
          ・ホント思春期ってそう言うことばっか考えてんのな。」



「マジキモイアル。しばらく私に近寄らないで。」



「んだとコラァァァって言うかなんかデジャビュ!?」



まぁ、叫んでる新八はおいといて・・・



「そんで銀ちゃん、誰アルかその女?。」



そう質問すると、銀ちゃんも
その後ろの女もなんだか少しきまづそうな表情を浮かべるアル。



少しの沈黙の後に、口を開いたのは銀ちゃんだったアル。



「まぁ、・・・いきなりこんなこと言うのもアレなんだけどよ・・・」



「何、もったいぶってるアルか、早く言うヨロシ。」



どうも歯切れの悪い銀ちゃんをせかすように言うと
銀ちゃんもめんどくさそうにまた口を開いたアル。




「あのよォ、コイツ由良君なんだわ・・・。」




・・・・







・・・・







「意味わかんないアル・・・。」



もう一度女の顔をしっかり見てみたけど、由良って感じがしないネ。
それに由良は男アル。



胸だって確かに私よりなかったヨ。


でも、銀ちゃんの後ろにいる女は
さっちゃんみたいにグラマーではないにせよ、私よりは胸のある
れっきとした女ネ。



『・・・神楽、えっと、本当なんだ・・・俺由良・・・。』




そう言って、ここで初めて言葉を発した女の顔は
いつも良く見る、由良の苦笑いだったアル。



声だって・・・由良そのものネ・・・・






あれ?どういうことアルか?
由良って女だっけ?




いやいや、だから、私より胸なかったはずで・・・
それは由良が男だったから当たり前のことで・・・
でも、目の前の奴は女で・・・


由良は・・・・




アレ?





 


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bkm
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