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優しい眼鏡の少年は快く俺の申し出を引き受けてくれた。



「えっと、何処に行きたいんですか?」



そう少年に問われてフッと思う








あれ?何処だっけ・・・・







何としたことか、就職先の店の名前を忘れてしまったようだ



『・・・・・。』



「えっ、・・・ちょっと・・・あの・・・もしかして忘れたんですか?。」



さすがの少年も口元を引きつらせた。



『何といいますか・・・こう、覚えていないというか・・・』



いや、この辺まででかかってんだよ?

マジで。




何コレ泣きたい・・・



「結局、何も覚えて無いんですね・・・。」



待て待て少年そんなに呆れた顔しないでくださいよ。


今、思い出すから!
今、思い出すから!!



『えっと・・・あっ!!確か“万事屋銀ちゃん”とかって言う・・・』



店の下だったはず・・・。



「えっ、万事屋銀ちゃんですか?。」



何故か少しビックリして少年は聴き返してきた。



『うん、そうなんだけど・・・もしかして知らない?。』



「いっ、いえいえ知ってますよ!。」



あわててそう言った少年の言葉に少しほっとした。

何と言うめぐり合わせ
俺って運がいいのか悪いのか・・・

怪我の功名ってやつ?



「えっと、お名前を伺っても良いですか?。」



そういえば何も自己紹介をしてなかったな。



『あぁ、俺は早瀬 由良って言うんだよろしく。』



「由良さんですね。僕の名前は志村 新八(しむら しんぱち)と言います。
                       よろしくお願いします。」






新八君、ね・・・いい人だ。



(由良さんか・・・万事屋に用事があるなんて・・・何かの依頼かな?)


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bkm
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