4
『・・・・。』



「・・・・何とか言えよ。」








『信用ってなんですか?』






信用してなにになる




信用なんてすればするほど、裏ぎられた時の絶望感は大きくなり、
喪失感は消えない。





なぜ信用なんてする









『どうせいつかは裏切られますよ?。』









そうさ、あの時だってそうだ。







『俺は、一番信用するに値する、家族に、両親に裏切られたんだ!!』





「・・・・。」





かつて、俺の全てだったものに、俺は裏切られたんだ





『何を信じればいいっていうんだよ!!』















「ねぇ、由良。ちょっとお出かけしようか?」





『?・・・・うん。』








『全部全部、嘘ばかりだ。』





「お前・・。気にしてなかったんじゃ・・・」





『確かに、俺はあの人たちが
俺を捨てて幸せになれたならそれでいいと思ってる!!』





だけど・・・




『それは今でも変わらない、だけど・・・
              裏切られたことには変わりないんだよ!!。』








誰か教えてくれよ・・・・






俺は






私は







何を信じればいい?
誰を信じればいい?








「・・・」







今の俺の顔は酷く歪んでいるだろう。


初めてこんな大声をだした気がする。
遠巻きに見ていた店の人たちは驚いた顔をしているだろう。





こぶしをギュッと握り、銀さんにやっと目線を合わせる。








なんとか言えよ。







俺はそう言うように睨み付けた。













「 ・ ・ ・ 何を信用すればいいかだと? あまったれてんじゃねぇよ。
    何を信用して、何を疑えばいいかなんて、テメーで見定めやがれ!!。」









『っ!』









「テメーが何を信じればいいかなんて、他人にわかるわきゃねぇーんだよ!!」





胸をえぐられるような痛みは消えない。


まだ幼かった俺にはこの傷は大きすぎた







「たかが一回裏切られただけで悲劇のヒロイン気取りか?コノヤロー!」






癒えるのには時間がかかりすぎる。






だから、諦めにも似た感情で


全部
   全部



無かったことにしてた。


最初からそんな傷なんて俺には無いのだと








「お前はただ」









どうしてだろう、






本当は確かにあったんだ。



癒えない大きな大きな傷跡を見つけて。





現実を俺にたたきつけたくせに








「逃げてただけだ!!!」








酷く、いびつな形で


俺の傷跡を埋めようとする。






next
  


prev next

bkm
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -