2

ドスンッ






『う゛っ』






手を離されたのは店の奥にあるソファ・・・。




俺の座る横にはばっちり銀さんが座っている。


ただならぬこの雰囲気に、接客をしていない店の人たちが遠巻きに見ていたり
耳を澄ましている。





ぜったい、みんな楽しんでる・・・・










「でっ、どういうことかな由良ちゃん?。」




改めて向けられる銀さんの表情は、いつもの死んだ魚のような目ではなく
赤い瞳が鋭利な刃物のように鋭く光っている。




もう、さすがに言い訳はきかないと、俺もわかっていた。





「・・・女装してるわけじゃねーよなぁ?女なわけ?。」





若干刺々しいその物言いに苦笑いを浮かべる。





『えっと・・・まぁ・・・銀さんの言うとおり俺は女・・・です・・・。』





「・・・何で隠してた?。」





その質問に、俺はばつが悪そうに言葉を濁らす。




『別に、隠してたわけじゃないですよ・・・
明確に『俺は女じゃなくて男だ』とか言ってたわけじゃないですし・・・・。』




そんな少し屁理屈のようなことを口にする俺に、銀さんは若干眉を寄せる。




「じゃあ、何で男だと思われてることに否定しなかった?。」




少し変えられた質問に、俺はため息をつきたくなった。




『・・・その方が・・・俺てきには都合がいいんで・・・。』




もごもごとそう言うと銀さんは頭に?を浮かべる。



『・・・俺、12の時に捨てられたって言ったじゃないですか・・・』




「あぁ。」




『そんな非力な子供がこの世の中を無事に生きていけることもまずないです。』




ゆっくりと話す俺の言葉を
銀さんは一つ一つ丁寧に聞き取っていくようにうなずく。




『だから、少しでも襲われないように女を捨てて男の様にふるまってたんです。
だけどまぁ、その時はまだ子供だったから襲われるには襲われましたげど・・・』




だんだんと尻すぼみになっていく自分の声に情けないという気持ちが募っていく。




「・・・まぁ、大体わかったわ。」




少しため息をついてから銀さんはそう言った。




















「お前は、俺たちの誰一人として信用してねぇーんだ。」

















 


prev next

bkm
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -