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「あれ?君新しい子?。」



接客のため、ソファーに座り隣の男に無理やり笑みを浮かべる。




『そっ、そうです。由良っていいます。』



「へぇ〜由良ちゃんか〜カワイイねぇ〜。」



『ははっ、お上手ですね。』






少し、いや大分。
気乗りはしないのだが営業スマイルを浮かべお客さんの相手をする。





「いやいや、言っとくけどお世辞じゃないからね?。」





相変わらずくさい台詞をなんどもはき捨てる客に、内心疲れながらも
ただにこやかに笑って見せた。





「・・・俺。また来たとき由良ちゃん指名していい?。」



心なしか少し真剣なその口調に、俺は驚く。






『あっ、ありがとうございます。』






なにがこの客の心をひきつけたのかは正直わからないが
売り上げが上がるのにこしたことはないわけで・・・



俺は、頬をゆるませ、営業スマイルとは少し違う笑みをうかべた。



どうしてこうも男ってやつは馬鹿なのだろうか。
自分でもあざとい商売やってるな
とか、今更ながらに思ってしまった。











まぁ、そんなこんなで、何とか順調にやってるわけで・・・・。







今日で何人目接客がおわり、少しずつ慣れてきた気がする。


店の奥でソファーに身を沈め、小さくため息をついていると・・・




「由良ちゃ〜ん。5番テーブルの接客お願い!。」




との声があがる。





やれやれ、と少しだるそうにしながらも
一応は仕事なので店へと足を運んだ。





時刻はたぶんまだ夕方の四時ごろ。


俺は少しなれないヒールの高い靴を踏み鳴らしながら
「歩きずらいな」なんてこと考えて


指定された5番テーブルへ向かった。










『失礼します。』


そういって、少しお辞儀をしてから客の座るソファーへと腰をおろす。








「おー。」






なんて、少し間抜けな声を漏らす客に視線を向ける。







そして、一瞬でそむける。










な、な、な、何で・・・・











首筋を、冷や汗がツーっと伝っていくのがはっきりと感じられた。






混乱しそうな頭を抱えて、俺は叫びたくなった。







「・・・?何、ねぇーちゃんどうしたの?気分でもわりぃ分け?。」













なんで銀さんがここにいるんだ



誰か嘘だといってくれ・・・・






 
 


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bkm
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