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目的の店らしきところにたどり着くと、悦子さんは車を小さな駐車場に止めた。




「さぁ、ついたわよ。」




そう言われ、俺は重たい腰あげ、車から降りた。




店の名前は「スイートピー」



俺は、大きくもなく、小さくもないその店の上の看板に目をやり
『来てしまったのか』と今更ながらに後悔する。





「中にはいって。アナタの服とか色々選ばなきゃいけないから。」




そう言う悦子さんの顔はとても素敵な笑顔だった。





なんか・・・





『楽しんでません?。』





高いヒールを履いているからか、女にしては少し身長の高い俺と
あまり目線の違わない悦子さんをじと目で睨む。




「あら?分かる?。」




・・・



少しは否定してほしかったです・・・。








そして、店の前に何時までもつっ立っている分けにもいかないので
俺は悦子さんに続いて店の中へと入って行った。













店の中はキャバクラと言うわりには落ち着いたシックな感じ。
悦子さんの後を歩きながら店の中を見回していると。





「あっ、悦子さんだ。」


「えっ、帰ってきた?。」



と、女の人達の声が聞こえて来た。




「はい。みんな、今日代入りで働いてくれる由良君よ。色々教えてあげてね。」




「「「「 は〜い。」」」」





本当にさっとあいさつを済ませると、
少し遠く離れた場所にいた女の人達がいっせいに集まってくる。



「悦子さん!代入りって男の子だったの?」



「そうよ、いい顔してると思わない?女物の着物でもきっと似合うわ。」



「ヤダ〜可愛い!!」



『ちょっ』



「ねぇ、なんて名前なの?。」



「歳は?幾つ?。」



「彼女とかいるの〜?。」





なっ、なんだコレは。



本当に俺が男だったら嬉しいのかもしれないこの状況はまさにハーレム。


だけど俺は本当のところ女なわけで
そんでもってたくさんの香水のにおいに頭がくらくらしてしまう。



おまけに質問攻め。



女ってこんなに怖い生き物だっけ・・・・?。






  


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bkm
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