4




パシンッ



「なっ!?」



「!?」


乾いた音が辺りに響くと
狼の天人と、眼鏡の少年は驚き目を見開いた。




「しっ、“白刃取り”・・・だと!?。」




それは俺が狼の天人が振りかぶった刀を白刃取りしたから。



あまり腕の立つやつじゃなった。
俺にはコイツの太刀筋がしっかりと見えた。


まぁ、あとはタイミングと長年の経験?



『俺、痛いこと人にするのはいいけどされるのは嫌なんだよね。
           それに今、急いでるんで・・・すんません。』



痛いことされるのはみんな嫌だと思うけどさ、まぁそこは置いといて・・・




スッ



ドコッ


俺は白刃取りされて固まっている狼の天人の足を払って体制を崩させると

そのまま顔面に右ストレートを決め込んだ。



あぁ 最近は夜中に浪人に襲われることも無かったから

人(?)を殴るのは久しぶりだ。

いつもならコレくらいで殴ったりはしないのだけども、



マジで急いでるんで・・・



狼の天人が倒れていくのをスローモーションに見ながらそんなことを考えていた。







『さて・・・行くか・・・。』



地図はもう消えてしまったけども・・・


それを思い出すと少し気分が滅入ってきてしまうが、仕方が無い。
本当にないんだもの



「あっ、あの!。」



またフラフラと歩き出そうとした時、

少年に声をかけられた。

何かと思い首だけ後ろに向ける



『何か?。』



「いやっ、えっと、ありがとうございました!。」



そう言って少年は律儀に頭を下げた。



『良いよ、別に・・・急いでただけですし・・・。』



そんなたいそうなことをしたわけでもないのに・・・


なんだかバツが悪くなり、体も少年の方へと向き直り
意味も無く後ろ頭をかいた。



「何かお礼を・・・。」



少年はそう言って何か考えているようだったが
急いでいる俺にはそんなもの必要ない。



『いやいや、いいよ そんなの。ほんと急いでるんで・・・。』



そう言ってまた歩き出そうとしてからフと思いとどまった。



『・・・あのさ、君この辺の人?。』



「えっ?はい。そうですけど?。」



『みっ、道案内とか頼める?』


prev next

bkm
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -