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『あの、コレマジで外れないんですけど・・・外し方とか知らないんですか?。』



「知らねぇーなぁ。」



こっちがけっこう真剣な顔してそんな事を言っても
当の本人はなんともシレッとしている。



まるで他人事な総悟の態度に内心怒りを感じていると






「おい、総悟 テメェーいままで何処にいやがった・・・。」




背後から いきなり唸るような低い声が聞こえて来た。



「いやぁ〜ちょっと江戸の町をパトロールしてたところでさァ
                      あぁー疲れたわ〜。」


その声に、どこか棒読みでこたえる総悟。


一体誰かと後ろを振り向くと・・・





『あ、ニコ中の人だ・・・』




そう、先ほどの不理屈過ぎる瞳孔のかっ開いた黒髪のお兄さんが立っていた。



「おい、小僧。誰がニコ中だ 誰が。」



眉をピクリと動かすその人と俺の反応を見て、総悟は不思議そうに首をかしげた。



「あれ?由良 土方さんと知り合いなんですかィ?。」



『いや、知り合いってほどでもないですけど・・・
      しいて言えば濡れ衣なのに逮捕されて
          ずいぶんと長い間尋問された仲ですかね。』


少し困ったように顎に指を沿えて話すと 総悟は溜息をついた。



「土方さ〜ん アンタ濡れ衣の一般市民逮捕したんですかィ?」



『そうですよ。ロクに話も聞かず「お前がやったんだろ〜」とか
               瞳孔かっ開いて言うんですからー。』


「あ〜あ〜コレだから最近の警察ときたら、
         これは不当逮捕以外のなにものでもないァ〜」



「オイコラ ちょっとまてぇぇぇぇええ!!
           何で全部俺が悪いみたいになってんだ!?。」



いや、実際そうですよね?
迷惑以外の何ものでもないですよ



「つーか総悟ぉぉ!?オメーも警察だろうが!!。」



すると総悟はウィンクをして舌を出し、自分の拳で頭を軽くこずく



「いや、「いっけね☆」見たいなのやめてくんない!?。」




黒髪の人・・・土方さん。だっけ?
と総悟のやり取りを横目に俺は考えを巡らせる。








早く帰りたいな・・・








遅くなってはお登勢さんに迷惑がかかってしまう。




『あの、すみません 帰っていいですか・・・?』




そう、口を開くと。
土方さんは俺の方へと向き直った。



「あーその・・・なんだ 悪かったな・・・。」




少しバツが悪そうにつぶやくその仕草に 俺は苦笑いをこぼす。




まぁ、悪い人ではないようだ




 
「まぁ、詫びといってはなんだが もうすぐ昼時だから飯でも奢るぞ。」



そういわれて壁にかけられてある時計を見ると  


なるほど、時計の針は十二時を指していた 確かに昼時である。
店を出てから二時間近く経っていたのだ。



『あの、ありがたいですけど 早く店に帰らないと・・・』



そう 低調にお断りしようとした時。





「んなかてーこと言わずに行ってこいよ。」



と、俺の肩を軽くポンッと叩き。
嫌な笑みを浮かべて総悟が言った。





なに その笑顔・・・絶対ロクなことないじゃん・・・






ただただ 俺は口元をひくつかせた。
  






 


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bkm
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