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やっとの事で不理屈な取調べを終えた俺は
取り調べ室を出て、出口へと向かっていた。






『あぁ〜肩こった・・・。』





ずいぶんとイスに座って硬直状態だったためか、こった肩をほぐしていると










「あれ?   もしかして由良ですかィ?。」









という 独特な口調に 聞いた事のある声。
少し  いやかなりの高確率で嫌な予感がする。


足を止め ゆっくりと声のする後ろへと体を向ける






「あぁ やっぱりそーじゃねぇか。」


『やっぱり総悟ですか・・・。』



やっぱり俺の嫌な予感って言うのは当たってたみたいで・・・・









いや、ていうか・・・・










『物凄く近いんですけど・・・。』




さっき声を聞いた時はこんなに近くなかったはず。
イヤだって、こんなに近かったらもっと、声とかよく聞こえますし・・・


とにかく、お互いの鼻がくっつきそうなくらいに近い。



顔が。



そう思い、俺が少しのけぞると
その反応にニヤリと口元をゆるませた。


そして、俺の耳元に口を持ってくる。




「なんでィ テレてんのか?」




耳元でそう囁くと フッ と息を吹きかけた。





『っ!?。』





いきなりの事に驚いて、息を吹きかけられた耳を手でおさえ 
総悟との距離を数歩とる。




『なっ、何してんですか!?。』




「おぉ、思ってた以上の反応でさァ。」


総悟はそう言ってニヤニヤと笑みを浮かべる。
そして、


「で、由良は何でこんなとこにいるんですかィ?。」



と 何事もなかったかのように話を振る。

たく、何がしたいんだアンタは。



若干、いやホントに若干火照った頬でなんとも言えない表情をして固まる俺。
そして押さえていた耳から手をおろし、溜息をひとつ。



『・・・まぁ、色々ですよ。』



また余計な事にならないように
と、思った俺はそう あいまいに答えると 
少し早歩きで総語の横を通りぬけようとする。








が、








腕をつかまれ、あえなく断念。




「俺があげたヤツ、ちゃんとつけてるじゃねぇーかィ。」




総悟はつかんだ俺の手首を見ながらそううつぶやく。




『いや、ていうか外れないですから・・・コレ。』




分かっていたくせに何を白々しい・・・
俺は再び吐きそうになった溜息をグッとこらえた。





 


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bkm
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