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「もぉーズルイよ、後ろからコッソリ見てるなんて・・・・・・
                    まァバレちゃ仕方ないか。」


場所を屋上に移したところで内野さんがそう口を開いた。



「・・・そうなの 好きなのあの人のこと」


ゆっくりと話し始める内野さんの声に耳をかたむける。
ちなみに銀さんと俺はベンチに座ってる(長谷川さんは立ってる)



「なんにもしらないんだけどね・・・担当でもなんでもないし
 でも前に廊下ですれ違った時まっすぐでスゴクきれいな目をしていて
  気がついたらいっつもあの人のことばかり考えるようになっちゃって。」



内野さんが恋をしている相手と知り合いならしい銀さんは忠告するように口を開く。



「ウッチーよ、こういっちゃあなんだが奴ァヤバイぜ
            ああ見えて指名手配「いいの!」」



「いいのよ なんとなくわかってるから あの人は私なんかが近づいちゃいけない
                        別の世界に生きてる人だって」



内野さんは、銀さんの言う事を察してか、言葉を被せると
少し悲しそうな表情をうかべた。



「それに・・・もう会えないし 明日退院するの。」



そう言う内野さんの表情や声色で 本当に好きなんだなぁ と改めて感じる。



キレイなはずの夕日はいつもより悲しげなオレンジ色をしていた。



「このまま何もしらないままで・・・・ キレイな思い出のままで・・・・
                       胸にしまっておくつもり」



「・・・・・いいのかよ それで。」



屋上から出て行こうと歩いていく内野さんに、長谷川さんは声をかける。



「・・・・三人に話したらなんかスッキリした   アリガト。」



内野さんはそう言うと静に屋上を出て行った。



俺達三人はその後ろ姿を見つめていた。










in 病室








「どうも桂さんはエリザベスのつきそいで来てるだけみたいですね。」



そう話をきりだした新八君に俺はまた首をかしげる。




『・・・あの 桂さんとかエリザベスって誰ですか。』



「あぁー 何かもぉお前今スッゲーめんどくさいからしばらく黙っとけ。」



ベッドに寝っころがりながらめんどくさそうに銀さんは口を開いた。


なんかへこむ・・・


少し気落ちしていると それをさっしてか新八君が苦笑い気味に口を開いた。



「簡単に言えば 白いペンギンのお化けみたいなのがエリザベスで
            その近くにいた黒い長髪のひとが桂さんです。」


あぁ。それで病室をのぞいたとき銀さんがヅラって叫んだのか・・・


カツラじゃなくて桂で 人の名前だったわけだ。
俺にも状況が分かったところで 今度は神楽が口を開く



「エリザベスも謎のオッさんにはねられたらしいアル。」



「んだよ謎のオッさんだらけじゃねーか もう謎じゃねーじゃん
              ただのオッさんでいいんじゃねーのか」



「そうもいかないでしょ・・・あ そーだこれからは短縮して“なっさん”と
                       呼ぶのはどうでしょう?。」


「どーでもいいわそんなこたァ!!」



長谷川さんのツッコミに俺もうなずく。
つーかみんな話しそれすぎでしょ



「銀サン アンタあのロン毛の知り合いなんだろ なんとかならんもんかね?。」



話をもとに戻すように長谷川さんが言った。



『キューピッドでもやろうってことですか?。』



「オイオイ カミさんに逃げられたキューピッドの矢なんざ
         ティッシュも射抜けねーよポッキーだよポッキー。」



「ハツのことは言うなァァ!!」



話の流れてきに 長谷川さんは奥さんに逃げられたらしい。



『銀サン ポッキーでもティッシュくらい射抜けますよ・・・』



「そう言うことじゃないからね?ちょっとォォ何哀れんだ眼で見てんの!?」



ごめんなさいつい・・・


やっぱり心の中で謝罪の言葉をつぶやく



「大体あんな堅物説き伏せるなんて無理だよ無理 カッチカチだぜ中学生だぜ」



銀さんはめんどくさそうにつぶやく



「それに 俺ァ奴に借りつくるのはゴメンだしな」



というかめんどくさいんだろうけども・・・



やらないよ〜みたいな雰囲気になって来た時 長谷川さんが口を開く。



「おめーら俺のコンビニ潰した貸しはいつ返してくれんの?。」



その一言に銀さん達三人はいっせいに長谷川さんから目をそらす。
コンビニ潰したって・・・いったい何やったの・・・



「・・・不幸続きでやさぐれてた気持ちをあの娘にゃ大分楽にしてもらったんだよ
      あの娘にとっちゃ仕事の一つだったかもしれんが・・・
                       色々元気もらったんだよ俺ァ」



そう言いながら長谷川さんはバナナの皮をむく。



「俺も もうスグ退院だし 何か返せるものがあるならよ・・・それにお前よォ」



そこまで言ってバナナを一口 口に入れる。






















「いい女は幸せにならなきゃいけねーもんだ」













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