3

「どーもおかしい。」


所変わり、病室からでて、喫煙も出来る休憩場(?)のベンチに腰掛けた


銀さん 長谷川さん 俺 の3人
疑問を口にしたのは長谷川さんだった。




「あ?。」




その一言に銀さんは何の事だと言わんばかりに眉を寄せる。



『何がですか?』



俺達2人の疑問に長谷川さんはタバコを吹かしながら再び口を開く。




「内野さんのことだ。」




内野さん・・・?

あぁ、あの可愛い看護婦さんのことか・・・


俺は可愛らしい笑みを浮かべた黒髪の彼女の顔を頭に思い浮かべる。
何かおかしい事があっただろうか・・・?


「元からちょっとドジなところはあったんだが 最近は何かボーとしててな
  人のバナナを食べたりとかそうゆうことする娘じゃないんだ ホントは。」




「なんだァ まだバナナのことひきずってんのか
            チンパンジーの生まれ変わりかお前はコノヤロー。」



『そうですよ、終わった事グダグダひきずんないでくださいよ。』



「バナナのことじゃねーよ!!何この言われよう!?
             俺が悪い事したみてーじゃねーか!!
     そうじゃなくて なんか調子でも悪いのかと心配なの!。」



冗談ですよ 俺はね・・・

内心そんな事を思いながら冷たい麦茶をのどへと流し込む。



「ん? 噂をすれば。」



急に、銀さんのそんな声が聞こえたので俺は麦茶を飲む事を止め
銀さんの向く視線の方へと目を向ける。



「何やってんだアレ?」



同じく、視線を向けた長谷川さんは首をかしげる。




「顔まっ赤にしちゃって どーしたんだ?。」




俺達の視線の先には なにやら病室をのぞくようにして
顔を赤らめている内野さんがいた。



「病室のぞいてるみてーだが。」



『何やってるんでしょうね?。』



長谷川さんと2人 頭に?マークを浮かべていると



「ははーん」



と、銀さんは さも面白そうに少し口元をゆるめた。



「長谷川さん こいつァ病は病でも別の病らしいぜ。」



えっ、やっぱそう言うことなんですか?



「オイオイ まさか。」



そこで俺達は病室内が少し見えるくらいに近づいた。




『いやぁ、でもジーさんだらけですよ・・・恋わずらいなんて
                  ちょっと無いでしょ・・・。』


病室内をみて俺はそう口を開く。
たとえ内野さんが年上好きでも無いだろうと言いきれるくらいの歳の老人達。


もしもそんな人に恋した、とか言われても正直遺産目当てにしか思えない。



「だよなぁ・・・。」



長谷川さんも俺と同意見のようだ。




「ファザコンだよファザコンしわだらけの玉袋みてたら
                死んだ親父の顔思い出したんだよ。」



「なんで玉袋!?顔でいいじゃん!!お前玉袋って言いたかっただけだろ!!。」



『そうですよ!、それに 銀さんの言うようにファザコンだったとしても
                  恋愛感情で見てるわけじゃないでしょ。』



「・・・何?由良。何真剣に考察してんの・・・。」



そんなくだらない話をしている中。
老人だらけの病室で老人ではない人が目に入った。



「・・・・・・ん? うおっ!! なっ なんだありゃ!?なんか変なのいる。」



長谷川さんの言う通り、変な生き物が病室のベッドに座っていた。


包帯などを巻いているところをみると彼(?)も入院患者なのだろう。



それにしても変な生き物だ・・・
“ソレ”は白い体をしたペンギンのお化けみたいな風体だ。
少し可愛いとか思ってみたり・・・



「あれ? ありゃ確か・・・。」



銀さんがそうつぶやいて目をこらすと、ペンギンのお化けの横には
男の人にしては珍しいであろう長い髪の毛
それも黒くサラサラの髪をした人が座っていた。




「!! ヅラぁぁ!!。」




えっ 何?ヅラ? カツラ?


そんな事を考えていると
銀さんのその少し大きめの声に内野さんはこちらにサッと顔を向けた。



「「『 げっ 』」」











ばれた・・・。


 
  


prev next

bkm
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -