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時刻は多分朝がた 太陽の光が少し目に眩しい。



多分って言うのは 俺の頭がボーっとしてるから
確証は無いよ っていう保険みたいなもんで・・・


朝か昼かもわかんないくらいに頭がボーっとしていることは確かなわけで・・・
心なしか寒気もするし、頬は熱を感じる。



実は今、冷凍庫がぶっ壊れてたんで 腐ってしまった蟹を処分しようと
銀さん達に運ぶのを手伝ってもらっている様子。


お登勢さんとキャサリンさんのうしろでボーっとしながら
聴こえてくる声をゆっくりと頭の中で処理する。



「オイオイオイオイどーしたんだコレ?」



銀さんが驚いたようにそう言った原因は 例の蟹。


ハッポウスチロールの箱の中に入った蟹が山ずみになっていたのだ。



「竜宮城にでもいってきたのかバーさん 顔もシワだらけじゃねーか。」



「殺すぞ若白髪 こいつァ知り合いに貰ったんだよ
             冷凍庫ぶっ壊れて全部いたんじまってね。」


心なしかお登勢さんも少し残念そうに見える。



「ちょっとアンタらも捨てるの手伝っておくれよ。」



「できることなら食べるの手伝いたかったぜ 勿体ねーな。」



「ちょっとアンタ 間違っても食べようなんて考えんじゃないよ
              カニはアンタあたるとひどいからね。」



少し心配そうな口調で言うお登勢さんに、銀さん達は目を細めた。



「いい加減にしてくださいよ いくら僕らだってねェ
               腐ったものにまで手ェ出しませんよ。」



新八君がもっともな意見を述べる。


まぁそりゃそうだわな・・・



「カニは腐ると食えねーがな 侍は腐っても侍なんだよ。」



「なめんなよババー。」



続いて銀さん、神楽がそんなことを口にする。



「ハイ ハイ じゃ頼んだよ。」



お登瀬さんは小さい子をあしらうような口調で言う。


て言うかほんとにやばいなぁ〜・・・
なんかフラフラしてきた・・・



そんなことを思いつつ、つっ立って
銀さん達がカニを運んで行った方向に目を向けていると






ピーポー   ピーポー







ん?救急車?



サイレンの音が聴こえたかと思うと。
腹を抱えて険しい表情をした銀さん達3人が救急車の中へと運ばれて行った





あれだけさんざんお登勢さんに言っていたにもかかわらず
あのカニを口にしたようだ。



ようやるわあの人ら・・・



「・・・だから食うなって言ったのに。」



俺はそんなお登勢さんのつぶやきに
まったく持ってその通りだと心底思った。



「ホントニ馬鹿ナ連中デスネ・・・。」



そう言ったキャサリンさんは次の瞬間腹を抱えてうずくまる。




「ぐおォォ!!。」




ほんとに馬鹿だよアンタも・・・




「オメーも早く病院いってこいバカ。」





タバコを吹かしながらそう言うお登勢さんの顔がだんだんぼやけてきた。





『お登勢さん・・・なんか・・・俺・・・ヤバ・・・・』





そう口を開いたが、時すでに遅し。






視界が完全にぶれた。







自分が地面に倒れるのがスローモーションに見える。




「ちょっ!オイ由良!?.」




意識を飛ばす寸前
見えたのはあせった顔に、あせった声色のお登勢さんだった。





 


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bkm
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