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そんでそれからまた二年が経ったわけで

ノラリ クラリと生きてきた俺も19になった。



今は江戸のかぶき町と言うところにいるわけなんだけど・・・



『あっれ〜?・・・コレ絶対道あってなくね?』





道に迷いました。






俺がかぶき町にいる理由は一つ

そこに俺の新しい就職先の店があるから。

しかし、早くも道に迷ったようで

いびつな線で書かれた地図を見つめて首をかしげる。





路地裏で





どうやったらそんなところに迷い込むんだと言われても正直仕方ないと思う。

だって俺でも酷いと思ってるから。



『あぁー分からん・・・仕方ないなぁ・・・人に聞くか・・・。』



と、言う事でまずはこの路地裏から脱け出そうと思います。



あれ?作文


とか別に思って無いから



と言うか就職先の店の人と合う約束が11時なのだけれど
ただいまの時刻は10時半ごろ・・・

今何処に居るかも分からない俺にとっては、
あと30分しかないと言うのは非常に危険である。



『やばいなぁ〜・・・早く出よ。』



少し早歩きで路地裏の出口を目指していると、結構すぐに見つかったらしい

ここよりは幾分明るいであろう外(いや路地裏も外だけど)の光が見えてきた。



『早いとこ誰かに聞かにゃなぁ〜。』



路地裏から出ることに成功して一歩踏み出そうとしたその時


ドン


たぶん俺とそれほど身長のかわらない誰かがぶつかったようだった。


『あっ!』


俺はぶつかられた衝撃で唯一の手がかりであった地図を手放してしまった。

しかも、運の悪い事に

地図は風に乗ってヒラヒラと俺をあざ笑うかのように飛んで行ってしまった。



『あぁー・・・どうしよう・・・。』



冷静にそんなことを考えていると後ろで声がした。


「おい、兄ちゃん!人にぶつかっといて謝りもなしかい?!」


「すっ、すいません、沢山荷物を持っていたもので。」


「んなこたぁ知ったこっちゃぁねぇ〜のよ。手前のせいで俺の服がよごれちまったじゃねぇ〜か!
                                     どうしてくれんだ?あん?!」



どうやらその人は絡まれて押されたところで俺にぶつかったらしい。



(少しの服の汚れくらい許してやれよなぁ〜・・・。)



そして俺はため息まじりに後ろを振り返った。


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bkm
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