4

「えっ、なに?マジ、マジなの?それ沖田君からもらっちゃったわけ?。」


坂田さんは好奇と、哀れみを含んだ表情で俺に問いかける。




『えと、・・・マジですけど・・・。』




「うわぁ〜なんかもう御愁傷さまって感じだな〜
そんな腕輪贈られるとかぜってー目つけられたぜお前〜。」




「由良も運がないアルなぁ〜ま、せいぜいあがくといいアル。」




「ははっ、・・・まぁがんばってください。」





あれっ、なにその投げやりな感じ・・・



なんかもうちょっと困ったら相談にのるとか
そう言うことは言えないんですかあなたたちは



つーか新八君まで・・・



そんなに総悟とはやっかいな人物なのだろうか・・・



俺は先を思いやられて溜息をつく。




「まぁ、あのサドになにかされたら私に言うヨロシ、倍にして返してやるアル。」




やっとそれらしい言葉を言ってくれた神楽をパッと見つめる。




「酢昆布ファミリーパックで手をうつアル。」




あぁそう・・・交換条件付きですか



少し、期待していた俺は誰にも分からないくらい小さく肩をおとした。



「にしても何したらそんなに体中に擦り傷やらアザやらできるわけ?。」



坂田さんの質問にまたどうしたものかと髪をクシャリとかく仕草をしてみせる。


この人達のことだ。
自転車でバイクにのって逃走中だったひったくり犯追っかけてました。



などと素直に言っても腹を抱えて笑われるのが関の山。


かといって嘘をつくのもどこか気がひける。
というか、どんな嘘をつけばよいのやら・・・・




困ったように黙りこくっていると
何を勘違いしたのか新八君の顔が心配そうに曇ってきた。






しかたない。本当のことを話すか・・・






小さく溜息をついてから無駄な心配をかける(主に新八君)のもすまないので
俺は口を開いた。




『えっと・・・お登勢さんに頼まれた買い物袋が
帰り道にひったくり犯に取られたんで、その場にあった自転車借りて
ひったくり犯のバイク追っかけてたんですよ・・・
それから総悟がバズーカぶっ放すから爆風で地面に叩きつけられて・・・』




話している間に3人(主に新八くんをのぞく2人)の
顔色が変わっていくのがわかった。
横目にそれを見て、分かりきっていたこととは言え少し後悔をする。




クッソォ〜・・・




話終わり、眉を少し寄せたのと同時に盛大な笑い声が聞こえた。





「ダッハハハハハッ!!!。」
「ガハハハハハハッ!!!。」





『・・・だから言いたくなかったんですよ・・・。』




露骨に不満げな顔をしてみせる俺に、坂田さんと神楽は気にも止めず笑い続ける。



「普通自転車でバイクとか無理だろ!!どんな足してんだよ!!。」



「ほんとネ!由良見かけによらず馬鹿アルなぁ〜!!。」



しかし、新八君は2人とは反対に口元を引きつらせている。



「いや、マジで無理でしょ普通・・・せっかく僕と同じ普通の人だと思ってたのに・・・・



最後の方は小さくつぶやくように言ったがはっきり聴こえた。


いやいや、普通だってば俺。・・・多分



『あのさ、新八君。別にあれは頼まれたもの盗まれたら
たまったもんじゃないと思って火事場の馬鹿力というか・・・
                     なんというか・・・。』



きっと言い訳にしか聴こえないんだろうな


そんなことを考えて、2人に指をさして爆笑されながら
今日で何度目かの苦笑いをこぼした。



  


prev next

bkm
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -