3

「おっ、コレいいじゃねぇーか。」



総悟はそう言って今度は腕輪(ブレスレット)を手に取った。


黒く、銀色に光ったシンプルなデザインだ。



ん?総悟はこういうのが好きなのかな?


そう思っていると不意に腕を取られた。



『?何か・・・。』



首をかしげていると
どうやら俺の手首を見ているらしい。




「お前・・・」




『何・・・?。』




「腕細すぎでさァ・・・。」



俺にとって心底どうでも言い事を言われた。

いったいなんなんだ そう思っていると彼も何か考えているらしい。


眉をよせて何かブツブツと言っている。


しばらくすると、考えがまとまったのかニヤリとニヒルな笑みをうかべると
先ほど見ていた腕輪を、レジに出した。



「おっさん、コレくだせェ。」



そう言うと総悟はズボンのポケットから黒い財布を取り出した。



・・・アレ?


今日財布もって来てないとか言ってなかったっけ?


アレ?



「おい、腕だしなせェ。」



会計をすませたらしい
総悟は先ほど買った腕輪を、袋からとりだした。



『財布・・・もってたんじゃないっすか・・・。』



少し不満げに言って見せると



「たった今 思い出したんでさァ。」



と、言ってのける。




明らかに嘘でしょ・・・



ハァ・・・と、溜息をついたと同時にカチンッと
小気味良い金属音がした。



見ると、細いと言われた俺の腕に 
先ほど総悟が買った腕輪と見えるものがぶら下がっていた。



『えっ、コレ・・・。』



てっきり総悟が自分でつけるものだと思っていた俺は驚きながら
俺より少しだけ背の高い総悟を見上げた。



「今日、バズーカでぶっ放したお詫びでさァ。」



そう言って少し口元をゆるめた総悟をみて俺は目を丸くした。





あっ、ありえない。





誰だ?この好青年は?




俺の目の前ではにかむ総悟は、いままでとはまるで別人だった。




なっ、何か裏があるのか?




そんなことを思っていると




「何も裏なんてないでさァ。本当に今日のお詫びでィ。」




と、嘘をついているようには見えない顔で言った。




「さて、んじゃあ。俺はそろそろ屯所に戻りまさぁ。」



総悟は今まで持っていた酒の袋を俺に手渡すと
ゆっくりと歩いていった。



『・・・』



その姿をみて、俺は頬をゆるませた。



すぐに人を疑うのもよくないな・・・

少し、総悟を疑っていた自分に反省をしながら、腕輪に視線を落とした。
腕輪は、俺の腕にぴったりとはまっている。



よくみると、白い字で“servant”と書いてある。



先ほどカチンと音をたてていた腕輪のつなぎ目(?)は
がっちりとしていて動かなさそうだ。

















アレ・・・













コレどうやってはずすの?














next


prev next

bkm
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -