5 [sid S.O]

目的の店について、服を選んで店からでるまで
俺は嫌味や皮肉を由良に言っていたはずだ。


しかし、由良は顔色一つかえず
俺の皮肉を受け流している。



コイツ、俺と会ってから一度も怒らねぇでさァ・・・
土方さんに少しは見習ってもらいてぇーくれぇでさァ。



自分でもSだと自覚している俺にはその態度がまったく持っておもしろくない。


少しつまらなくなった俺は由良に近くのファミレスで休もう。
と声をかけて先にさっさと歩き出した。


ファミレスに入って適当にあいている席にすわり
テーブルの上においてあるメニューを手に取る。


すると、少し遅れて由良がやって来た。



『ちょっ、総悟。俺先帰るんで 荷物かしてください。』



やっぱり、俺が先に言ったことにも何も言わず
そんなことをひょうひょうと言ってのける由良



「なに言ってんでィ。由良も一緒でィ。」



『何言ってんですか。嫌ですよ。』



「俺、今日は金待ってきてねぇーんでさァ。」



『・・・それはつまり・・・俺に奢れって言ってんですか・・・。』



「えぇ〜由良が奢ってくれるんですかィ?そりゃあありがてぇや。」



わざとらしく驚いてそう言うと

由良は露骨に嫌そうな顔をしながらも俺の前の席に着いた。
おっ、やっと嫌そうな顔しやがった


今までと違う反応をみせた由良に 俺は少しだけ口元に笑みをうかべた。



『あんまり高いもの頼まないでくださいよ・・・俺も金無いんだから・・・。』



そう言って溜息を吐いて終わらせてしまう由良はさながら母親のようだ。
いや、母親でももう少し怒りそうなもんですがねェ



「分かりやした。ステーキくらいで手をうちやしょう。」



『っ・・・ステーキくらいって・・・ つぅーか、ちょっとの休憩で
        普通ステーキなんてガッツリいかないでしょ・・・。』



そうこうしているうちに、店員が俺達の座る席へと向かってきた。



「御注文はお決まりでしょうかぁ〜。」



「ステー『イチゴパフェで』・・・」



「かしこまりましたぁ〜。」












コイツ




なかなかヤルじゃねぇーか







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bkm
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