4 [sid S.O]
俺の思惑どうり、バイクは止まったようだ



土煙が晴れてくると、倒れているバイクが目に入った。
車から出た俺にBも続いて降りながら



「ちょっとぉ〜沖田さん さすがにバズーカはやりすぎっすよぉ〜。」



と、半ば諦めたように言った。



ひったくり犯を止めたのはいいが

道路が無残なことになっているのを見て
俺は憎らしいアイツのことを思い浮かべた




「やっべーなぁ〜また土方のアンチキショーにどやされるわぁ〜。」




「いやいや、これはもう始末書もんでしょ。」




「んなこと言ったってしかたねぇ〜だろィこれ以上スピード違反されたら
                    民間の人に迷惑じゃねぇ〜か。」



俺はすぐに思い浮かんだ言い訳を口に出した。しかし、




「いや、今もろ迷惑かけてますけどね。」



と、返される。




「大丈夫だって、犯人以外には危害加えてねぇ〜んだから。」




「いや、もろ道路破壊してますけどね。」




「人じゃなかったらいいんだよ・・・ってあれ?
                 何かもう一人倒れてねぇ〜かィ?。」



やっとこれで言いくるめられるだろう。

そう思ったとき、バイクの倒れている場所のもう少し右の方向に人影が見えた。




「あぁ〜もろ倒れてますね。」




近づいてみると、先ほど自転車を猛スピードで走らせていたであろう
                         人物が倒れていた。



バズーカの爆風でまきぞえをくらったのだろう。
叩きつけられたらしい自転車はぐにゃぐにゃに曲がってしまっている。



死んでたら厄介でさァ・・・



俺はそんなことを思いながらも 倒れている人物の顔を軽く叩いた。




「・・・・おい、兄ちゃん。大丈夫ですかィ?。」




すると




『っん・・・・。』




と微かに声が聞こえた。
完全に意識がもどったのだろう。



俺より少し長い髪のそいつは、ゆっくりと目を開いた。



『ってぇ〜・・・。』



そう言って顔をゆがめ、痛むのであろう 体を押さえながら上半身を起こした。



「おっ、生きてらァ。」



俺はそうつぶやいてから



「すいやせん、あんたの事がまったく見えなかったんでィ。」



と、皮肉をこめてそいつに言った。

正直謝る気持ちなんてこれっぽっちもないんでィ


しかし、俺の目の前にいるそいつは俺の皮肉に眉一つ顰めず




『と言うか、アンタら誰ですか?』




とか聞いてきやがった。



 





そんなこんなで色々話しているうちに分かったこと。


コイツの名前。由良と言うらしい。


そして年齢。俺より一つ上



最後にもうひとつ。








“変な奴”







バズーカの爆風で地面に叩きつけられ、体中に怪我をしているにもかかわらず

救急車も要らなければ 挙句の果てに
これから服を買いに行くだなんてぬかしやがる。



そんな傷だらけでよくやりまさァ



俺より細くてヒョロイ体つきしてるくせに
以外とタフなヤロー由良に興味をもった俺は
今からいくと言う買い物に付き合ってやることにした。




仕事もサボれるし、一石二鳥でさァ



 


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bkm
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