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「おい、コレなんかどうでィ。」





『・・・。』





「おっ、コレもなかなかいいじゃねぇ〜か」





『・・・。』





「・・・おいっ、何か言ったらどうなんでィ。」





『あ い う え お 。』




ゴツンッ




痛い   物凄く痛い・・・

何か言えって言うから言ったのに殴られた。



俺を殴った相手はみなさんお察しの通り 沖田 総悟 であります。


本当に どうして俺がこの人と仲良く買い物をしなきゃならんのか・・・

何度も吐きそうになる溜息をグッとこらえながら
      目の前にいるキレイな眼をした青年をチラリと見る



「で、結局の所どうなんでさぁ。」



『・・・いやっ、どうっていわれても・・・
         まぁ、その二着はありえないかなぁ・・・。』



俺は、総悟が手に持つ二着の着流しを見て口元を引きつらせた。



いや、その柄と色合いは無いと思う・・・



一着目は蛍光色の紫に、黄色いアヒルの模様がいくつも散らばった
なんともチカチカした着物。


無い ない ナイ 紫も俺的にはナイけどアヒル柄はもっとナイ。
つか、買う奴の顔が見たい。



そして二着目は黒に赤い海老の模様がいくつも散らばった
なんともいえない着物。



無い ない ナイ 黒はありだけど
模様が海老とかナイと思う




正直キモチワルイ




「そうかい 俺ァ由良にぴったりだと思ったんだけどなぁ〜。」



たぶん、というか“絶対”
コレは嫌味を言っている



なんか物凄い腹立つ顔してるし



総悟とは知り合って間も無いが分かった事が一つある。




そう、それは彼がSであること。




それも、ただのSとはわけが違う
超ド級のS すなわちドSであること



彼は本当に町の平和を守る新撰組なのか



ドSでバズーカ普通にぶっ放す正義の味方なんて聞いたこと無い・・・



『まぁ、何にせよ その二着は着ないですよ。』



総悟の嫌味を軽く流しながら、自分で着物を選び始めると

総悟はすこし不満げに俺を見つめた。



「なんでィ・・・もっと落ち込めよ。」



この青年はキレイな眼をしてなんつーことを言うのか。



 


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bkm
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