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「ちょっとぉ〜沖田さん さすがにバズーカはやりすぎっすよぉ〜。」



「やっべーなぁ〜また土方のアンチキショーにどやされるわぁ〜。」



んっ、何だ・・・人の声?



「いやいや、これはもう始末書もんでしょ。」



2人?



「んなこと言ったってしかたねぇ〜だろィこれ以上スピード違反されたら
                    民間の人に迷惑じゃねぇ〜か。」



「いや、今もろ迷惑かけてますけどね。」



「大丈夫だって、犯人以外には危害加えてねぇ〜んだから。」



「いや、もろ道路破壊してますけどね。」



「人じゃなかったらいいんだよ・・・ってあれ?
                  何かもう一人倒れてねぇ〜かィ?。」



もしかして俺の事か・・・?



「あぁ〜もろ倒れてますね。」



「・・・・おい、兄ちゃん。大丈夫ですかィ?。」



やっぱり俺の事だったらしい、男の声が近づくと
ペチペチと小さな衝撃が頬に伝わってきた。



『っん・・・・。』



何とか薄く目をあけると、そこには栗色の髪色をした
クリッとした赤い瞳の青年(?)が俺の目の前にいた。




『ってぇ〜・・・。』




本の数分間の間気を失っていたらしい。


痛む体を押さえながら、上半身を起こした。



「おっ、生きてらァ。」



カワイイ顔して何つぅー事を言うのかこの青年は。



「すいやせん、あんたの事がまったく見えなかったんでィ。」



本当に謝る気があるのだろうか?
多少皮肉の混じったその言葉に俺は溜息をつきたくなった。



『と言うか、アンタら誰ですか?』



「俺達は真撰組でィ」



そう言った青年の言葉に思い出す。


そういえば良く新聞にお騒がせ警察集団って載ってたなぁ・・・



『普通バズーカなんて町中で打ちますか?
             つか、何で んなもん持ってんの・・・。』



「いやねぇ〜バイクに乗った引ったくり犯を自転車で追っかけてる馬鹿がいるって
                 通報があったもんだから仕方がなくねィ。」



どの辺が仕方がないのか・・・




「んで、そのバイクを自転車で追っかけてた馬鹿っていうのはアンタですかィ?。」




『まぁ、そうですけども・・・・。』




そこで思い出す




『あっ、そうだ!俺の荷物は?。』




そう言うと目の前にいる青年は




「コレのことですかィ。」



と、言いながら
あんなに重かったはずの袋を片手でひょいっと持ち上げて見せた。



『あっ、そうです。』



俺はそう言うと座り込んだまま青年から荷物を受け取り中身を確認する
幸いにも頼まれたお酒は七本全て無事に入っていた。




『あぁ〜よかった・・・。』




ホッとしたように溜息をつくと青年は少し眉をひそめた。



「自分の怪我より荷物の心配してんのかよ?変な奴でさァ。」



それはキミに言われたくないけどね
俺はそう思いいつつもやっとの事で立ち上がることが出来た。



「にしてもアンタ未成年だろィ んなに酒買い込んでどうすんでィ。」



『いや、コレは人に頼まれたもんなんで・・・』



青年は俺の答えにあまり興味無さげに
「ふ〜ん。」と返すと


「で?。」


と、聞き返してきた。



『で?・・・で?ってなんですか・・・。』



「お前の年だよ、いくつなんでィ。」



いきなりそんなことを言われたもんだから少し、
言うのか 言わないのか迷ったが素直に答える事にした。



『19ですけど・・・。』



「げっ、俺より年上かよ・・・。」



どうやら青年は俺より年下ならしい、
そんな事をつぶやいていた。


ていうかゲッてなんだよゲッて・・・別にいいけどさ



「沖田さぁ〜ん今救急車よびましたぁ!。」



少し向こうの方でもう一人の男の声がした。



『救急車って・・・誰か怪我でもしたんですか?。』



俺が首をかしげると



「アンタのために一応呼んだんですがね・・・必要ねぇ〜みてぇだ。」



と、青年は言った。



『んじゃ、俺まだ用事あるんで・・・。』



こんな目に会ってまで服を買いに行くのはどうかと思ったが、
やっぱり一着しか服が無いのも大変だし

お登勢さんがせっかく今日お金をくれたのだから
そう思って俺は傷で痛む体中を引きずりながらも歩こうとした。



「ちょいと待ちなせェ、何処に行くんでさァ。」



『えっと、服売ってるとこだけども・・・
      あっ、でも道分かんなくなっちゃったかも・・・。』



そう言えば引ったくりに荷物を取られてから何も考えずに自転車走らせてたから
ずいぶん遠くに来たみたいだし・・・。

て言うか誰のかわかんない自転車壊しちゃったなぁ・・・
すいません自転車の持ち主の人・・・



そんな事を考えていると、青年はニヤリと不適な笑みをうかべた。


おぅおぅキレイな顔立ちなこと。



「引ったくりにあって傷だらけってぇのに、まだ買い物するなんて
                    ホントに変な奴でさァ。」



いや、怪我したのは引ったくり犯のせいじゃなくてアンタのせいだけどね。



「名前はなんて言うんでィ。」



『えっ、早瀬 由良ですけど・・・。』



「由良ですかィ・・・俺は沖田 総悟っていいまさァ。」



はぁ、総悟ねぇ・・・



「ぶっ飛ばしちまったお詫びに由良の買い物、付き合ってやりまさァ。」







えっ・・・いやいや







「お〜い、俺ぁ、コイツ送ってくから、先に屯所に帰ってなせェ。」



「えぇ〜沖田さんまたサボるつもりっすかぁ〜!。」



「じゃぁ!あとよろしく。」






いや、ちょっとまって・・・






「ほら、早く行きますぜ由良。」





『いや、別にいい「俺が付き合ってやるってんだから
                  ありがたく思いなせェ。」・・・』



総悟のニヒルな笑みに、俺は何も言えなくなった。




心のそこから遠慮したいのになぁ・・・


つーかアンタまじで仕事サボりたいだけでしょ







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