2 [sid S.S]
由良さんを起こしてしばらくしても、銀さん達はまったく起きる気配もない
それどころか うるさい だの 駄メガネだの 好き放題言うしままつ


ったく、銀さんも神楽ちゃんも、寝起きは機嫌が悪くて嫌になる。



「もぅ・・・みんな僕を何だと思ってるんだ・・・。」



そう小さく溜息をつくとどこかから由良さんの声が聞こえてくる。



『っふぁ   やめろってバカ!  んっ、くすぐったぃ  。』



「?  誰と話してるんだ?。」



銀さんも神楽ちゃんもまだ寝てるから他には誰もいないはずなんだけど・・・


不思議に思った僕は声のする方へと足を運んだ


『おいっ、  やめっ   んっ。』


しだいに声は近づいきて何を言ってるのかはわかってきたが
何だか妙な気持ちになってしまう。



(って、なに考えてるんだ僕は・・・)



僕は今少しでも頭によぎってきた事を書き消すように首を振った。



(ていうか由良さんは男じゃないか、あぁもうホントに何考えてるんだろ僕)



少し頬を染め、反省(?)しながらも足を運ばせていると






「ワンッ!ハッハッハッ。」



『フハッ  舐めるなってば!』





定春とじゃれあっている由良さんがいた。






「・・・由良さん?何やってんですか・・・。」




『おぉ、新八君!たっ、助けてくれ!。』



由良さんはどうやら定春に気に入られたらしい
顔を何度も何度もなめられている



めずらしいな、定春が噛まないなんて。



噛まれていないならいいかと思ってしばらく見ていると
どうやら由良さんは本当に助けてほしいらしく、僕の事をジッと見ている。



「ハァ・・・」



僕は今日ですでに二度目であろう溜息をついて由良さんの救助に向かう



「ホラ、定春どいてあげて」



そう言って定春を少し引っ張ると素直に由良さんから大きな体をどかした。


今日はいやに素直だ。



『フハァ・・・助かったよ新八君。』



疲れたような顔の由良さんをみて頬がゆるんでしまった。



「ははっ、お疲れ様ですね由良さん。」



『ねぇ、あのバカデカイ犬何?なんでこんな所に・・・。』



頭に?をいっぱいうかべている由良さんの質問に僕は少し笑いながら答える



「あれは定春っていうんですよ、神楽ちゃんが拾ってきたんです。」



『ふーん、昨日は俺すぐに寝ちゃったから気づかなかったわけね・・・。』


苦笑い気味の由良さんに今度は僕が質問をする



「由良さんはどうしてこんな所にいるんですか?」



『あぁ、そうだこんなことしてる場合じゃなかった・・・
                    朝ご飯作りに来たんだった。』


そう言った由良さんに僕は少し驚いてしまった。


「由良さん料理できたんですか?!。」



『うん・・・できるけど?。』



『失礼だな』くらいは言ってもいいような僕の言葉にも
由良さんは少しも気にしないで言ってのける。



本当に『怒』をみせない人なんだなぁとあらためて思い知らされてしまう。

そんな事をボーっと考えていると何を思ったのか
由良さんは不適な笑みをうかべた。



「っ、・・・。」



『新八君も手伝ってくれる?。』





少しだけ



本の少しだけ




その顔にドキリとしたのは内緒だ。


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bkm
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