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チュンチュン チュン



『んっ・・・。』



スズメの声が耳を通りすぎる。


こんなに可愛らしい声も今の俺にはうるさく聴こえる
朝なのだと分かっていても体は動こうとしない。





「おはようございまーす・・・・って誰も起きてないか・・・ハァ・・・。」




遠くで誰かの声が聞こえてくる。だけどやっぱり俺の体は動こうとしない。
というか動きたくない



タンッ タンッ タン


どんどん近づいてくる足音は俺の頭の方でぴたりとやんだ。すると





スパァンッ




「銀さんも由良さんも起きてください、もう朝ですよ!。」





と、スズメなんて比じゃないくらいにうるさいその声に
俺は自然と眉間にしわをよせる。




『・・・るさい・・・。』




「由良さん!今日は10時にお登勢さんの所にいくんでしょ!
              もう9時ですよ 起きてください!。」




俺は9時と言う単語を聞いて目を開けた。



『・・・・新八君?。』



そう、俺の目の前に居たのは新八君だった。



まだまだ眠たい目をこすって無理やり体をおこす


あぁ こんなにしっかりと寝たのは何年ぶりだろうか・・・

何だかまだ頭がしっかりと働いて居ないようだボーっとする



「ホラ由良さん、まず顔でも洗ってきてください!
                向こうに洗面台ありますから!。」


そういって新八君の指差す方向にノロノロと足を運ぶ




「銀さん!いい加減起きてください!」



「・・・・せぇな、ガンガン叫ぶんじゃねぇーよ俺ぁ低血圧なんだよ!。」




背中ににそんな声を聞きながら蛇口をひねり 冷たい水に顔をつける。



『っはぁ・・・冷たっ・・・。』



顔を洗ったおかげで少しは意識がはっきりしてきた。



『新八君・・・朝ご飯は?。』



来た道を通ってさっきまで寝ていた寝室まで行き、首をかしげてみせる。



「僕はあんたの母親か!!そんなの用意してませんよ!!。」



さすが突っ込みの新八君だ。即効で返された。


仕方ない作るしかないか・・・


俺はそう思いたつとまだ少し重たい目蓋をこすりながら
キッチン的なものがあるところへと足を運んだ。


が、その途中。柔らかい何かが俺にぶつかった。



『っわ・・・・。』



何かと思いしっかりと目を開けると、目の前には大きな白い毛玉(?)があった



『なっ、何コレ・・・。』



何だか毛がふわふわしているようなので恐る恐るふれてみる。



『フワフワじゃん・・・。』



なんだか気持ち良くなった俺はそのフワフワに少し体重をかけてよりかかってみる


『・・・なんか あったかい?。』


何だかまるで生き物のような温かさだった


すると、毛玉がモソモソと動き出した。


ビックリしてそれを見ていると毛玉の頭らしきものが出てきて
クァっと小さくあくびをした。


あれっ、なんか こんな生き物みたことあるなぁ・・・いやでもデカくない?


いやでもなぁ・・・やっぱり



『犬?。』



そうつぶやくと



「ワフッ!」



と、返事が返ってきた。


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bkm
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