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『なんか今一しっくりこないですけど、犯人倒したみたいなんで・・・
                 とりあえず退散しましょうか・・・』



いまだに俺の後ろでポカンとしている女性4人にそう告げると
4人ともわけが分からんという顔ではあったが小さく頷いた。



そして、部屋から出るべく

足を一歩前へ出した瞬間。




「うぅっ・・・・」



と、うめき声を上げながら

倒れていた男の一人がフラリと立ち上がった。


『っ!』



「くそぉ、・・・なんだあの男は、
              しかし、これであとは女だけ・・・」




怪しく笑みを浮かべ、刀を構えなおす男。


まずいな・・・


俺がコイツに負けることはまずないだろう。



しかし、後ろに四人。女性がいては話は別だ。

4人の、しかも巨体の女性を守りぬく自信はなかった。



相手はハム子さんを攫ってなお、
かなりのスピードで走ることのできる力の持ち主だ。


戦いの最中に誰かを人質にでもとられてはめんどうなことになる。



『・・・あの、この4人を解放してもらえませんか。
             ここには俺一人が残りますから。』



正直言ってこんなことはしたくなかった。

苦肉の策なのである。


でなければ俺がみずから人質の役をかってでるなんてことまずしない。


面倒だから。



しかし、男はソレを鼻で笑った。



「ハッ、お前がか?そんな話。乗るわけが無いだろう。
         せっかくの4人の美女をみすみすのがして、
           なぜお前のような不細工一人ですませと言うんだ。」



『・・・・・』














な、何を・・・



ブ、








不細工・・・・?



俺が!?





チラリと横目にハム子さんたち4人を視界に入れる。



『っ・・・・・』



こんな屈辱は初めてだった。



別に俺は自分の顔のつくりが特別良いと思ってたわけじゃないし
思ったことすらない。



しかし、



しかしだ。




ぶっちゃけ後ろの4人より不細工だと思ったことも一度も無い。



いくら、相手の趣味が変わっているのだとしてもだ。

言葉にされればキツイものがある。




「そうよ!アナタ!!美しい私達のために、アナタが一人
         恐ろしい目に合うなんてことしなくてもいいのよ!!」


「そうよ!いくら私達が美人で、あなたが美しくないからって!!
           そんな身代わりみたいなまねすることないわ!!」



犯人に美女と呼ばれて内心嬉しいのだろう。

目を輝かせながら後ろのハムたちが騒ぎ出す。



ちょっといったいコレはどういうことだ。

なぜ俺はあの4人に若干見下されているのですか。



なんだ“美しくない”って

遠まわしに見下してるじゃないですか。







黒い感情が、胸の奥底で渦巻いて大きくなっていく


こんな気持ちは久しぶりだった。








今はとにかく血が熱く感じた。



 


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bkm
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