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『こんな時に何言ってんですか・・・もういいでしょそんなん。』




「ふざけんなコノヤロー約束がちげぇじゃねぇの?つか、そんなんって何だ
     “そんなん”って。こちとら仕事なんだよ生活かかってんだよ!」


『えぇ〜もうめんどくさいなぁー・・・』



「お前もうちょっとオブラートに包めねぇの!?顔にも言葉にも出すぎだろ!」




「だいたい、ここに入れたのも銀さんがいたからであって・・・・」

ぶつぶつとつぶやく銀さんの小言を左から右に聞き流して
終わるのを待っていると、







「お前らそこで何をしている!!」







最悪の事態である。



だから大声だすなってば・・・







黒ずくめのその犯人は見慣れないであろう俺と銀さんに視線を向ける



「貴様らいったい何処から入った!!」



男はそう言うと警戒するように腰の刀を抜いた。



「んだよ、結局見つかっちまったじゃあねぇか。」


『銀さんがもたもたしてるからですよ・・・』




ハム子さんを含む4人の女性は逃げるように俺と銀さんの背中に回った。



騒ぎを聞きつけた犯人の残り二人の男もこちらにやってきて刀を抜く。


「おいおい、面倒なことになっちまったなぁ」


『まったくですよ・・・どうするんですか・・・』


大きくため息をつけば
男はまた怒鳴り声を上げる。



「何ごちゃごちゃ言ってんだ!!」



それからまたグダグダと何かを叫んでいるのだが
そんなことは再び左から右なわけで・・・


話を聞かず、どうやってこの場から逃げ出すか

そのことばかりを頭にめぐらせる。



すると、




「あぁ!!あのヤロー!!」


『!?』

と、隣から大きな声が




少し驚いて隣に目を向ければ、



目を見開いた銀さんの姿が。


「な、なんだ貴様!!」



突然の銀さんの大声に男達も驚いたのか
警戒が一気に銀さん一人へと向く。



いったい何事かと銀さんの視線の先をたどる。



すると、男達の向こう側に微かに動いている


猫の姿が





『えぇー・・・』



おそらく、銀さんの探しているという猫なのだろう。




腰を少し低くし、走りこむような体制をとった銀さんに

男達はさらに声を荒げる。



「貴様!!何のつもりだ!!
 斬られたくなければそこから「動くな!!」そうだ動くな!って・・・え?」



銀さんの目にはもう猫しか映っていない。

男達は混乱した様に、睨みをきかせる銀さんを見る。



「そこから動くんじゃねぇぞ!!」



「いやいや、それオレらのセリフだから!!え?何?どういうことぉ!?」



銀さんの大声に驚いたらしい猫は、

ビクリと固まって、しばらくこっちを見ていたが
すぐに飛び出すように廊下の先へと走り出した。



「あぁ!!動くなっつっただろーが!!」



銀さんは慌ててその猫を追う。


しかしまぁ、犯人の男達からしたらチンプンカンプンだろう。


いきなり襲い掛かってくる銀さんにわけも分からず
刀を構える。



「オラァ!!退けェェェェェ!!」



「ブッファ!!!」

「グフッ!!」

「グエェェェ!!」



しかし、やはりというかなんというか


銀さんにかなわなかった男三人は
あっさりとやられて地面に倒れこんだ。




「待てコラァァァ!!」



銀さんの叫び声がだんだん遠くなっていく。






『・・・・』




どうすんのコレ・・・・
 


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bkm
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