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しかしまぁ、失礼ではあるがおかしいのは確かだ。
お世辞にも彼女、ハム子さんは美人とは言いがたい。


いったいこの矛盾はどういうことだろうか?


確かに俺はハム子さんが目の前で攫われるのを見た。
ではやはり、犯人たちの発言がおかしいのだろうか?



嘘をついている?


いや、それはない。
そんな必要性はまるでないからだ。


「まぁ、んなに考えてもわかんねーもんはわかんねーんだから先に進もうぜ。」


『そうですね・・・』



銀さんのもっともな意見に俺たちは
さっきまで犯人たちが話しこんでいた廊下の先に進んだ。





しかしまぁ、なかなか広いビルだ。


誘拐された彼女たちがどこに入れられているのかなんて
まったく見当もつかなかった。
どうしたもんかと困りながらも歩いていた時、








ガタンッ




『?』

「?」




少し先の扉から物音が聞こえた。
銀さんと顔を見合わせ、扉の前に近づく。



中の様子が分からないのでそっと扉に耳をあてた。




「マジありえねーなんでアタシがこんなめにあうわけぇ・・・」




「仕方ないわ・・・どうやら私たち、美人だから攫われたようだし・・・」



「真撰組はいつになったら助けに来てくれるのかな・・・」





女の人の声だ。


かすかだが、ハム子さんの声も聞こえた気がする。



おそらくこの部屋に誘拐された女性たちが監禁されているのだろう。
話の内容からして、どうやらこの中に見張りはいないようだ。



『銀さん、どうしましょう。』




「この扉をどうやって開けるかだな・・・」


鍵がかかっているのは確実だ。


しかし、鍵を壊そうにも大きな音を立ててしまっては
気づかれてしまう可能性が大きい。




「しゃあねぇな、いちかばちか、鍵を壊すほか方法はねぇ。」




銀さんはそういうと自分の腰にさげていた木刀を手にした。







ガコンッ








扉は大きな音をたてて崩れた。





「なっ!!?。」





中にいた彼女たちは心底驚いたようで、言葉を詰まらせていた。




『もう大丈夫ですよ。助けに来ました。』




「あ、あんた。さっきの・・・それにあんたも万事屋の・・・」




「よぉ、ハム子久しぶりだなぁ・・・」



「ハム子じゃねぇーし!!公子だし!!」


ハム・・・公子さんを見ると彼女は体を縄で縛られているようだ。




『早くここから逃げましょう。』



そういって、縄を解いていく。


『銀さんも残りの三人の縄、お願いします。』



「あぁ?めんどくせぇーな・・・」



そういった銀さんは頭をかきながらも三人の縄を解いていった。


「あ、あの、ありがとうございます!」


「本当にたすかりました!」


「あなたたちはいったい?」


縄の解けた女性たちはいっせいにこちらに向かってお礼の言葉をかける。




『あ、・・・い、いえ・・・』




しかしまぁ・・・・





なんとも・・・・






「・・・由良ちゃん、由良ちゃん・・・こりゃあよぉ、
         俺の言ってたことはあながち間違ってねぇんじゃねぇの?」



『・・・好みのもんだい、とかってやつですか?』



「そうそう・・・・」









『つまるところ?』



















「犯人はB専(不細工専門の略)なんじゃね?」









『そーですね。』











俺たちのその言葉に、彼女たちはタダ首をかしげていた。





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