act.13 番外】



















「あー・・・乳揉みたい・・・・。」















思わずポツリとつぶやいた。










瞬間







周りから向けられた白い目に

「ちがうって」

と、弁解の言葉を口にする。



いや、何も違わないんだけど・・・



ていうかそもそも何が違うんだ・・・








とりあえずこれは不可抗力だ。




別に口にする気なんて
さらさらなかった。



なんか知らんけども、
心の声がついポロッと。


ポロッといっちゃったのだ。







「僕らの部屋に勉強の邪魔しに来たと思ったら・・・

なんなの?発情してるなら
他をあたってくれない?」







「やだっ、三治郎こわいっ!
団蔵に狙われてる!」





もはや絶対零度の瞳で
俺を見る兵太夫と

悪乗りする三治郎。











誰がお前の乳を狙うか。












「なーちょっとテレビつけていい?」








「この状況から考えて
AV見だすだろうから駄目。」






「いーじゃんよぉおお!」





「うわー本気で見る気だったんだ。
そこ否定しないんだ。」




ついには三治郎にまで
白い目で見られるが関係ない。







「勉強のモチベーション
あげるためジャン?」






「なんでAV見て
勉強のモチベーション上がんの。
意味わかんないんだけど。」





「ていうか、
自分の部屋で見てくれば
すむ話じゃーん。」









「今、俺らの部屋
伊助がいんだって。
虎若が勉強教えてもらう
とか言ってさー。」







伊助の前では
さすがにAVなんて見れない。


そんな勇気ない。








今の自分の部屋の状況を
思い出してため息をつく。





ねっころがった三治郎の
ベッドのクッションに
顔をうずめてうなだれる。






今の俺には
イメトレ的なものが必要なのだ。






それもこれも約束のため。





そう。名前ちゃんとの約束。







なりゆきではあるが


今回英語のテストで
80点以上の点数を
取ることができれば


名前ちゃんの乳を
揉ましてくれるという






なんとも男のロマンというか
なんと言うか。





とりあえず、
まず通常ではありえない
ご褒美が待っているのだ。





名前ちゃんは俺たちが
80点なんて高得点を
とれるはずがないと

高をくくっているから
こんな話に了承したんだろうけど。




あの人はたぶん
思春期の男子高校生を


わかっていない。





そんなご褒美が
目の前に転がっていれば


当然、なんとしてでも
俺はつかみに行く。











わかってない。



まるでわかってないのだ。









鋭い目つきに、女性らしさを
あまり感じられない言葉遣い。





隙がなさそうにみえて
すきだらけというギャップに




なかなかに
俺の高感度は高くなっている。







考えてもみろ・・・





あの、あの名前ちゃんがだぜ?





俺の手によって
いったいどんなことに・・・






「ちょっと・・・
さっきから顔気持ち悪いんだけど。
早く出て行ってくれない?」







俺のイメトレ、というか妄想?

を、強制終了させた兵太夫は
こめかみに青筋をたてながら


無理やり俺を部屋から蹴り飛ばした。





三治郎は俺に視線すら向けなかった。










「なんだよくそー・・・
(妄想が)いいところだったのに」









仕方なく
とぼとぼと自分の部屋へと戻る俺。





中では出て行ったときと同じく。


虎若が伊助に教えられながら


今までなら考えられないくらい

熱心に教科書と問題集と
にらめっこをしていた。







しゃーない。

そろそろ俺も本気をださねば・・・








[ prev / next ]

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -