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やはり、もつべきものは友人というヤツである。




なんとか、職員寮に帰宅することに成功し、



足取りも軽く、自分の部屋へと廊下を歩いていると、




ふと、廊下の向こう側に見えてきた私の部屋の扉の前に


うずくまる誰かの人影が。





少し嫌な予感がして、早足気味だった足も急速にスピードダウンし、



眉間にしわを寄せて目を凝らしてみる。














扉の前についてみれば案の定










『なんで山村がこんなとこにいんの・・・・』











ポツリと小さくそうつぶやけば




ピクリとうずくまっていた山村の肩が反応した。







ゆっくりと顔を上げて目の前に立つ私を見上げる山村は


目を丸くしていた。







うわー・・・最悪だ・・・。








「なんだか早くに目が覚めちゃってね〜・・・
慎ちゃんに昨日の合コンがどうなったか聞こうと思ったんだぁ〜」




そこまで言って山村はのそりとそのひょろ長い体を立ち起こした。




今度は私が山村を見上げる。






「ノックしても反応無いから、まだ寝てるのかなーって思って
もうちょっとだけ待ってたんだけど・・・・」




山村の緩く垂れがちな目が一瞬怪しく光った。






「もしかして、朝帰り・・・?」


















『や、山村君・・・今度何かおごるからさぁ・・・』






「ふ〜ん僕のこと買収しちゃうんだ〜」




ニコニコと不気味に笑みを絶やさない山村に


冷や汗がとまらない。














「仕方が無いからね・・・今度の休みの日にパフェおごってくれたら良いよ。」







クスリと山村は笑みをうかべると


ヒラリと小さく手を振って帰っていった。




















誰もいなくなった私の部屋の前。





扉を開けて部屋の中へ入る。



肩にかけていたさして重くも無いカバンをドサリと床におとす。



ベットに顔を押し付けて大きくため息をついた。




どうして私の人生はこうもうまくいかないのだろうか・・・・





マジで、最近ことごとくついてない。



『今度、お払いにでもいこっかな・・・・』

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