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一気に視線は私のほうへと移り変わる。




「ちょ、慎なに?大丈夫?」



若干、困惑気味にA子に声をかけられるもそれどころではない。






「あ、れ?柏木先生・・・・?」





当然、顔見知りである不破先生から唖然とした声がもれる。






「は?雷蔵。慎ちゃんと知り合い?」




隣のハチさんは不破先生に親しげに声をかける。



不破先生も私の隣に良いいたハチさんに気づいたのか



こっちへきてハチさんの隣に腰をおろした。





顔を合わせたくない私は思わず下を向く。




「慎ちゃんって・・・ハチもうそんな仲良くなったの?」




「まーな。」



ていうか、不破先生とハチさんも知り合いなんですか、



つか、なかなかに中のよさそうなご友人といったところですか。





あ、そうか、ハチさんの友達の高校教師って不破先生か・・・






「いや、おんなじ職場の先生でね?」



ちょっと困ったようになぜか下を向く私に同意をもとめる不破先生。


なんであんた合コンとかきてるんですか!!


いや、私もだけどさ。





「おほー、すっげぇ偶然だな。
ちょうどさっき俺の友達も高校教師だって話してたんだけどさ


まさか同じ職場とはなぁ。」




いつのまにか、私たちのことも気にならなくなったのか周りはすでに

ガヤガヤと飲み食いを再開させていた。




「僕も人数あわせで頼まれて、
ついきちゃったんですけど、慎先生もやっぱり・・・?」




いや、実際、私のために開かれた合コンとか口が裂けてもいえない。




『ま、まぁそんなところです。
つか、こんなところで先生呼びとかマジでやめてください・・・』




もう、こうなってしまっては仕方がないと、

頭に手をやりながらそういうと



不破先生もちょっと困ったように笑った。




「じゃあ、僕も今日は慎ちゃんでいいかな?」




『はい・・・。』





最悪である。





不破先生は古典担当で



学校でも少しくらいしか話したことはなかったのだが




ちゃんと話すのが合コンはじめてって・・・・




何打この状況・・・・







「ふーん・・・二人は仲いい方なのか?」





「いやぁーまぁ、ちょっと話すていどかなぁ。」



そのままハチさんの隣で飲み始める不破先生。



いや、もう不破さんだ不破さん。



こんなところで先生とかなんか気が滅入る。






「・・・そっか、じゃ、まぁいいか・・・」




ハチさんは何かぼそりと小さくつぶやくとポケットからアイフォンを取り出す。




「なー、とりあえず俺とアドレスを交換しよう。」




何がとりあえずなのかは分からんが




まぁ、もうハチさんだしいいか、とか思い



私もかばんからソレを取り出す。





『いいですよ別に。』





「よっしゃ。」




小さくガッツポーズをとり、少し嬉しそうに笑うハチさん



隣の不破さんはなんかこう複雑そうだった。




わたしもなんか複雑ですよ。



あまり仲のよくもない職場の人の友人となんかそういう関係になるのは。








『とりあえず、不破さんもここで会ったこと絶対内緒ですからね。』




「ふふ。わかってるよ。」




柔らかく笑う不破さん。






ちくしょう。



こっちもマジでイケメンじゃねぇか・・・・




結局私の運命やいかに・・・・

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