4

『んじゃあ次。』





「うっす、皆本 金吾っす。」



体格の良い少年だ。
何かスポーツでもやってるのかね?



『ん、次〜』



「よっしゃー!!俺の時代が来たーっ!!俺加藤 団蔵!慎ちゃんよろしく!」



これまた体格のいい英語嫌い少年。もとい加藤。

だから、先生って呼べって!!



「慎ちゃんスリーサイズは!?」



「僕的にバストはBあたりだと思うんだけどな〜」




『はい、次ー』



加藤が「スルーとかまじせつねぇー!!」とか叫んでるがまぁ、ほっておく。
つーか加藤の話にのってんじゃねぇーニコニコ少年!




「ウィーッス 俺、佐武 虎若。よろしくな〜」



またまた体格の良い少年。
何だこの列。
山村以外が相当でかい。

いや、山村も縦はでかいのだがひょろいのだ。
なんかあの三人は見てるだけで暑苦しい。

特に加藤。

あいつのノリはマジで男子校そのものである。

典型的すぎる・・・


『次ー』



「黒木 庄左ヱ門です。ちなみに僕がこのクラスの学級委員なんで何かあれば聞いてください柏木先生。」



おぉ〜


やっとまともな生徒がでた。
やっぱり、どんなちゃらんぽらんなクラスでも一人二人はこういうやつがいるもんだね。


とても利発そうな顔だ。

ていうか、柏木先生ってちゃんといった・・・



『黒木ね。学級委員長さんよろしく。はい、次〜』



「先生、さっきから団蔵のやつがすいません。ここ数年彼女も出来ないからがっついてるんですよ・・・あ、僕 二郭 伊助です。」



おぉ、さっきの常識人っぽい少年だ。
また、あきれたようにため息混じりに自己紹介をしている。

なんだ。二郭は加藤の保護者か。



『次。』





「・・・・笹山 兵太夫。好きなのはオシャレなやつ。嫌いなのはダサいやつ。」




最初から私に敵意バリバリだったパッツン、笹山は
私をにらみながら自己紹介をする。

なに?このジャージがダサいって言いたいの?


まぁ、鋭い視線を無視して自己紹介の続きを再開させる。




『次。』



「ハ〜イ!!僕は福富 しんべヱっていいま〜す!!好きなことは食べること!!好きな人はおしげちゃん!!」




「だぁぁぁああ!!くそっ、しんべヱ死ね!!リア充爆発しろ!!」



なんと意外なことに、このクラスで一番リア充してるのはポッチャリ体系の福富なのか。

そして、加藤はものすごく見苦しい。



『はい、加藤はもう少し落ち着くように〜次。』




「ハイハイ〜、僕は夢前三治郎っていいま〜す!先生ごめんね〜兵ちゃん最近彼女と別れたから機嫌悪いんだ〜」



「おい、三治郎!余計なこと言うな!!」



やはり、ニコニコと笑みを絶やさないのは夢前。

今にも噛み付きそうな笹山とは面白いくらいに対照的だ。



ていうか別れたのか笹山・・・


なるほど、それで私に八つ当たりをしてくるわけね・・・



『次〜』



「はい、私は猪名寺乱太郎といいます。特技は足が速いことと、絵を描くことです。」



眼鏡をかけたひょろい少年、猪名寺。

見た目からして、足が速いというのは少し以外だった。
ていうか、



『教室の落書きも猪名寺?』



「はっ、はい。そうなんです!!」


少し目を輝かせながら嬉しそうにいう猪名寺。

いや、うまいんだけどさ、めちゃくちゃうまいけど・・・



『まぁ、落書きは駄目だよね・・・うまいけど。』


正直言ってめちゃくちゃクオリティ高いし、描き込んでるから
今更消せ、とかいわんけど・・・


「で、ですよね・・・。」


猪名寺は若干落ち込んだようにため息をつきながら席に腰をおろした。

少し、かわいそうだったかな?
苦笑いをうかべ次の自己紹介へと進む。



『次ー』



「駄賃もないのに俺から自己紹介するなんて・・・」



なにやらぶつぶつと心底嫌そうな顔をしている少年。

なんかまたアクの強そうな生徒だ・・・。



「摂津きり丸。趣味は小銭集め。好きなものはお金。
   自分でいうのもなんだけどそうとうなドけちっス。」



鼻筋の通った美人顔。摂津はいやいや、といった表情で自己紹介をする。

いや、自己紹介くらい無償でしてくれよ・・・
自分で言う通り彼はそうとうなドけちだ・・・




『なんか、めんどくさそうなクラス受け持たされたな〜・・・』





「・・・ちょっと、聞こえてんだけど・・・。」



小さくつぶやいたはずの私のつぶやきは、教卓のまん前の席である笹山に拾われてしまった。



『おっと、これは失礼。』



「全然悪気なさそうなんだけど・・・」


盛大に眉間にシワを寄せながら私を睨み付ける笹山。
なんだコイツ、GT●とかごくせ●的な今流行の反先公的な?
そんなことを考えながら笹山を見ていると、彼は口元をヒクリと動かし顔をゆがめた。


「何、あんた元ヤンかなんか?よく先公になんかなれたね?鬼●とかヤン●ミきどり?流行んないってマジで。」


あ、一緒のこと考えてる。

てか、元ヤンじゃねぇし。



『よく、いわれるけどね・・・別に先生は元ヤンじゃないっス。』



あんま信じてなさそうだけど一応言っとく。



『つーか新学期だし、今日はもうすることないんで帰ってよし。』


すでにお休みモードな山村の頭を主席簿で軽くたたいてから私はサッサと教室をでる。
生意気な餓鬼とは馴れ合う気ないんで。



扉をしめて廊下にでると



「んだよあの先公、やる気ねー」


佐武の妙にでかい呟きが聞こえた。











わるかったな・・・

[ prev / next ]
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -