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『・・・そこ、違う。wasが抜けてる。』



「あー・・・そうだっけ?」



『皆本と加藤も、そこのつづり間違ってる。lじゃなくてr。』



「・・・どっちでもいいじゃん。」



よくねーよ



「何が違うわけ!?LもRも一緒じゃん!!」


いや、ちげぇーよ



『日本人にしちゃあ分かりにくいけど、発音の問題だって。』


LとRじゃあ発音が違うのだ。



『とりあえず黙って暗記しろ。ノートに書きまくれ。』




開始30程度しかたっていないはずの現時点で、


すでにだれてきている3人。




「あ゛ー!!もう駄目だ!!
      なんかちっさい文字の羅列見てると眠くなる!!」



座ったまま反り返って書くことを放棄し始めた加藤。



ホンッとに集中力ねぇなお前。




「なんかさー・・・こう。
       モチベーションが上がんないって言うか・・・」



どうやったら上がるんだよ。お前のソレは。



『何?がんばったご褒美とかほしいわけ?』




何気なくそうつぶやけば、バッとこっちに視線をむける加藤。



「何?!慎ちゃんなんかくれたりすんの!?」


現金なやつめ・・・


けどもまぁ、

それでやる気がでるっていうんなら・・・



『んー飴やるよ、飴。』



「俺等は餓鬼か!!」


「今時小学生でもそんなん喜ばねぇよ!!」



すかさず講義の声を上げる佐武と皆本に
私は少し首をひねる。



まーそりゃそうか。



『つってもなー・・・』



そんな高いもんも私が嫌だし。


一人ならまだしも、3人でしょ?




「ハイハイ!!じゃあさ!!」


突然、目を輝かせて
手を上げる加藤。



「何でも言うこと聞いてくれるって言うのは!?」







はぁ?




『誰の?』


「俺等に決まってんじゃん!」



『誰が?』


「だから、慎ちゃん!!」





・・・・




なんでそこまで私がせにゃならんのだ。



しかし、まぁ、そこまで悪い話じゃないかもしれんな。




『金のかからんことだったら、別にいいけど・・・』




「・・・まじで?何でも言うこと聞いてくれんの?」




『まぁ、金がかからず私にできる範囲のものであれば
              考えなくもないかな・・・。』



なにやら神妙な顔つきの佐武に若干眉を寄せる。



「"ご褒美は私よ"的な!!?」



『バッカ、お前それはえーぶ「ぎゃあああああ!!!」の見すぎだろ。』



「女の子がそんなこと言っちゃいけません!!」

とか、顔を赤くして叫ぶ加藤を
私は白い目で見つめる。



お前が言い出したんだろうが。

ていうか、私に何求めてんだ。




『ふーん・・・加藤はそういうの好きなわけ?
             禁断の・・・みたいな?』



あまり興味は無いが、加藤をからかうことは楽しい。



「そうそう、こう、背徳感がたまんないよね
             ・・・って、何言わせんの!!!」



お前が勝手に言ったんだよ馬鹿。



「俺もうお嫁にいけないっ!」


加藤は顔を両手で隠しながら、皆本の背中に隠れた。


悪乗りした皆本はムツ○ロウさんのごとく加藤の頭をなでる。




「じゃあ、乳もませろよ。」










真顔でそう言った佐武に、

ついつい手を通り越して足が出そうになった私は悪くないと思う。

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