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職員室に着き、土井先生と談笑しながら入れば


それを見かけた山田先生が私に声をかけた。



「柏木先生。体育祭の出場競技は大方決まりましたか?」



『えぇ、順調すぎるくらいスムーズですよ。』



いつもの3組ではありえないことなので若干困惑気味に
そうこぼせば、山田先生は声を上げて笑う。


「ハハハハハッ、やつらは相当な負けず嫌いですからな。
            こういうことには真剣なんですよ。」



「3組はああみえて、体育祭は優勝経験ありですからね。」


山田先生と同じく、体育教師である厚着先生が口を挟む。



『へぇ〜そうなんですか?なかなか優秀なんですね。
                   ・・・スポーツは。』



「えぇ、スポーツはね・・・・・」






「「「「・・・・。」」」」




そこでなんだか職員室内の教科担当の先生たちの溜息が
一斉に聞こえる。


みなさんおつかれさまです・・・。




先生方との談笑も終え、自分の席につくと
仕事をはじめようと、愛用のペンケースから丸付けようの
赤ペンをとりだす。


今回は一年生の小テストの丸付けのため。
いつものごとく、それほど落ち込みながら仕事にかかることはない。

心も軽く、採点を開始しようとしたところ・・・




『あらら・・・』




どうやら解答用紙を教室に忘れてきたようだ。


『面倒くさいがしゃあないな・・・』


仕方なく席をたつと、隣の土井先生が首をかしげる



「どうかしましたか?」



『いや、採点するプリントを教室においてきたみたいで・・・』


少し恥ずかしげにそうつぶやけば
土井先生は小さく笑みを浮かべた。


「僕もよくやっちゃいますよ。」


それから「いってらっしゃい」と
何気なくつぶやかれ、わたしも『いってきます』と
何の気なしに返事をかえして職員室を出た。


ついさっき通ってきた廊下を逆戻りするのも妙な気分だ。

面倒でたまらない。




ま、ついでにアイツらの様子も見とくか・・・

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