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いやいや、初心にもほどがあるでしょ




『んな間接くらいで・・・キスも初めてじゃないだろうに・・・』





「い、いや、初めてじゃないけど!!」



顔を赤くしながら必死に何か言おうとしている加藤は
                  いささか間抜けに見える。



「初めてじゃねぇーけど、団蔵がキスしたことあるのなんて
                      1、2回だもんな。」




『ほれ、初めてなんかじゃな・・・・い・・・って・・・マジで?』




「とぉ〜らぁ〜わぁ〜かぁ〜!!!!」




なんともいえない表情で加藤を見ると、


加藤はさらに顔を赤くしながら佐武に詰め寄る。



つーかなんで加藤の恋愛事情を佐武がしってんの・・・・







「だってさ!!普通しないじゃん!!同姓ならまだしも!

     付き合ってもない異性から飲みもんもらうとか!!」




半ば開き直るように、それでもまだ顔を赤くさせたまま詰め寄る加藤。



『そう?しない?ん〜・・・しないか・・・。』






まぁ確かに普通せんなぁ・・・



『いや、年下だし・・・加藤だし・・・別にいっか。って・・・
                   何も考えてなかったわ。』



「年下ってったって!んな変わんないじゃん!!
                   つーか俺だしって何?!」




まぁまぁ、落ちつきなさいよ・・・



Be cool Be cool



そういいながら加藤の肩をポンポンとたたく。




「ま、確かに柏木はそう言う目で俺たちみてねぇーもんな
                喜三太とかさぁ・・・。」




『あぁ、アレね・・・。』




いや、あれはマジでからかってるだけだからなぁ・・・



『やだよねぇ〜高校生の癖してあんな余裕ぶったやつ・・・
                加藤とは大違いだっての。』



「俺のことはいいだろ!!?」



若干涙目の加藤。



いじるの楽しい・・・・










「・・・じゃあ、兵太夫は?」














『・・・・。』






ニヤリと、何か知っているように言う佐武、


不覚にもその名前に反応してしまい、ピクリと眉を上げる。





『何が。』





「何がって・・・そう言う対象でみてないわけ?」





ずけずけと質問を繰り返す佐武に内心舌打つ



なんだコイツ。笹山が私に告白したこと知ってんのか?




チラリと横目に見える加藤にいたっては「何で兵太夫?」なんて

             はてなを飛ばして首をかしげている。




『同じだってーの・・・私基本年下にあんま興味ないからね。』




なぜか最近年下にモテるけども・・・





「あっそー。」



佐武はあまり興味なさ気にそう答えると、空のカフェオレを
           そばにあったゴミ箱に投げ入れた。




興味ないなら最初っから聞くなよな・・・



いつものように眉間に深くシワが出来た。

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