▼ 4
『よし、』
「ちょ、たんま!!慎ちゃん落ち着いて!!体罰禁止!」
控え室から出てすぐ、近くにいた加藤の腕をガッとつかむと
どういうわけか若干顔を青くした加藤がわめきだす。
『はぁ?何勘違いしてんのか知らんけど、早くいくぞ。』
「は、?い、行くってどこに?」
『んーやっぱ今はストレス発散したいし、絶叫系かねぇ。』
「へっ?は?」
『ほら、アレとかいんじゃね?
なんか一回転とかするジェットコースター』
「いや、俺ちょっと状況がのみこめねぇんだけど。」
ぐだぐだといっている佐武の腕も掴み、
無理やり引っ張って歩き出す。
『だーから、今日はストレス発散のため、とことん遊ぶんだって』
「え゛ぇっ!俺らも?!」
『ったりめーだろ。』
「いや、まぁいいけどさ・・・・」
私にグイグイと引っ張られながら歩く後ろの二人は
なぜか歯切れの悪い返事を返す。
『何?』
「いや、なんつーか、殴られると思ったから・・・」
「俺も・・・」
そんなことをつぶやいた二人に
私は足を止め、掴んでいた二人の腕を離すと後ろに振り返る。
『ったく、いくらなんでも
餓鬼に手をあげるほど私も落ちぶれとらんよ。』
ましてや、教え子だしね。
『ま、そのかわり、とことん付き合ってもらうし。』
ニッコリと笑みを浮べた私に、佐武と加藤は少しだけ顔を青くした。
○ ● ○
「ちょ!!アレやばくね!?メッチャおもしろそうじゃん!!」
『待て待て、アッチは?アレよくない?』
「うぉ!マジだ!!どっちから行くべき!?慎ちゃん!」
『どうする?どうする?加藤決めろって!』
「え、いいの?!俺決めていいの!?」
『いいから、早くしろって!』
「よっしゃ!!じゃアッチから行こ!!」
『おう!!』
「・・・・・。」
「何やってんだよ虎若!!早く行くぞ!!」
『そうだぞ佐武!!早くせんと、置いてくからな〜』
「・・・・楽しそうっすね・・・・。」
[ prev / next ]