▼ 3
『知ってるかい?君たち。遊園地にいるくまさんの中身はねぇ
人間なんだよ?』
「・・・はい、」
『ましてや女性であることもあるんだよ?』
「はい・・・」
『なぁ、まじでさぁ、こっちもさぁ、がんばってんの。
それであの仕打ちって何?まじなめてんの?』
「な、なめてはないっす、」
『まだね?小学生とかなら許すよ?しゃあないわ
けどさ、君らいくつ?何年生?』
「じゅ、18っす。」
「高3です、」
『歳考えろよ○○○ヤローが、まじざっけんなよ、しばくぞコラ。』
「ちょ、慎ちゃん、○○○はなくね?酷くね?
てか、放送禁止レベル・・・」
『あ゛ぁ!?』
「すんまっせん!!」
最高潮にいやな雰囲気の漂った控え室。
そこにいるのはすこぶる機嫌の悪いくまさんと、
くまさんのまえで正座をさせられている男子高校生二名。
「つか、なんでここに柏木がいんの・・・・」
私がいちばん聞きたいわ!!
なんで教師の私が!!こんな近所の遊園地で!!
汗水たらして!!かわいい着ぐるみきて働いてんの!?
久しぶりの休日を返上せてまでさぁ!!
「ちょ、虎若、なんか今地雷ふんだっぽいぞ!!
くまなのに!無言なのに!
めちゃくちゃ寒気がとまらないんですけど!!」
「知らねぇよ!!だいいち、お前が余計なことしたから!!」
「まてって、アレはお前も爆笑してたじゃん!!ソレはなくね?!」
『Shut up(黙れ)!!』
加藤に佐武、二人を黙らせてから私はくまの顔をとる。
小脇にかかえてから、ふーっと大きく息を吐いた。
『つか、なんでこんなイライラしてんの私。
キャラ崩壊もいいとこだっての・・・・』
とまぁ、声にだして自分の気を落ち着かせてみるも、
眉間のシワの深さは半端ないし、
こめかみには青筋がたっている。
「つーか、慎ちゃん今仕事っしょ?
俺たち怒ってる暇とかないんじゃ・・・」
「あぁ、柏木さん今日はもう上がっていいよ。
慣れない仕事だったろうに、ごめんね。
はい、これ今日の給料。」
『え、いいんですか?どうもありがとうございます。』
「・・・・・」
つーわけで、
『お前ら表出れ』
「「・・・・いえすさー・・・・」」
[ prev / next ]