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『クククッ、ハハッ・・・・』



「っ・・・・」



うずくまった笹山の横まできて私もしゃがみこむ。




『やっぱ、お前、すっげぇ・・・餓鬼、じゃん・・ハハッ。』




「・・・うるさい。アンタなんか
          僕のタイプでもなんでもないし・・・。」



『うん、』



まぁ、タイプとかいわれても困るけどね。



私教師だから、


お前の担任だし。



「・・・でも、気に食わないって・・・思って・・・
                目でおってて・・・。」




うん・・・・


ん?・・・




『・・・あの、さ・・・私教師だから、君の担任だから。』




「それでも・・・なんか・・・。」




おい、まてまて・・・

この流れはなんか色々とまずいと思うよ?




あのさ、まじで・・・山村は大丈夫だ。


なにせアイツはマジでからかってきてるだけだから。


全部本気じゃない。















「好き・・・かも・・・」














まじか。








 






まじでか・・・









顔が、あつい・・・


こんなにストレートな告白は始めてかもしれん。

ガラにもなく照れていると





「顔、赤いし・・・。」




いつの間に顔をあげていたのか、

うずくまった体制のまま、私をみてつぶやく。



『いや、さすがにそんな直球でこられると・・・照れる。』






なんだコレ








なんだこのフワッフワした空気は!






おかしいだろ


さっきまで緊迫してたじゃん!

火花散ってたじゃん!

なんでそんなに丸くなったの君は!!




『あのさ、何度も言うようだけど・・・私は教師なんで・・・
      気持ちは嬉しいけど、そういうのはちょっとね。』



完全に泳いだ目でそうつぶやく。

なんか、笹山の顔がみれない・・・



はて、私はこんなにも初心だったか?

なんでこんなにも中学生みたいな恋模様なの?




「知ってる・・・」



笹山は少し不満そうに小さく眉を寄せた。



「それでも好きだし・・・んなすぐに引き下がれるわけないじゃん。」




おい、なんかコイツ開き直ってないか?

態度が元に戻ってきたみたいだ。


さっきまでとは違い、ずいぶんスラスラと言葉にした。




そこで私もかなり自分の頭の中が真っ白になっていたことに気づく。


Be cool
Be cool




『・・・よりによって私とか、お前そうとう見る目ないよ・・・。』





「知ってる・・・。」




笹山のまっすぐな視線に私はなんだかむずがゆくなった。


たえられん・・・




すっと立ち上がってまだしゃがみこんでいる笹山を見下ろした。



『・・・じゃ、まぁ私は仕事なんで・・・。』





明日の授業の準備が残ってるんだ。


集中しなければいけない



そんなこんなで、職員室へと向かうべく足を動かした。




「ね。」



後ろで笹山の声がした。



振り向くと立ち上がった笹山がこっちをじっと見ている。







「早く僕のこと好きになってよね・・・慎。」












私はただ口をパクパクとさせるので精一杯だった。


いつもみたいに「先生をつけろ」とか
言ってる余裕がなかった。



「間抜けづら。」



そうはにかんだ笹山を背に、私はこんどこそ歩き出した。













笹山って・・・あんなんだっけ?






少し頭が痛くなった。


私は年下にモテるのだろうか・・・






誰か助けてくれ・・・












(たぶん一目ぼれってやつ?そういうの僕信じてなかったんだけどな)

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