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『なぁ、おい。お前がなんでそんなに私を嫌いか知んないけど・・・
                    いくらなんでも怒るぞ。』



ぐっと、拳に力を入れ、笹山の胸倉を掴んだ。





「・・・気に入らないんだよねアンタ・・・。」


ずいぶんと冷めた目で私を見る

むかつくヤローだ・・・


「いい先生でも気取ってんの?好かれたいの見え見えなんだけど。」



『おまえさぁ、そうとう性格わりぃな。
              道理で彼女と長続きしねぇわけだ。』


そこで初めて笹山はピクリと眉を寄せた。


『最近彼女と別れたらしいじゃん?』


こんどはこっちから皮肉たっぷりにそう言ってやる。


「・・・三治郎のヤツ・・・。」


笹山は小さく舌打ちをして眉間のしわを深くした。



『八つ当たりしてんじゃねぇよ・・・餓鬼。』


小さく睨み付けると笹山は少しひるんだ様子で

肩をピクリと動かした。


その隙に私の顔の横に置かれた手を少し強めにはらう。



じっと私をにらみつける笹山に小さくため息をついた。




『勘違いしてたのかね・・・君はさ、私のこと好きなわけ?』



笹山は一瞬面食らったような顔をしてからまた眉間にシワを寄せた。



「何ソレ、アンタ自意識過剰なんじゃないの?
          どうやったらそういう風に見えんのさ。」



残念ながら全部


全てにおいてだよ餓鬼。




『そういう刺々しい突っかかった物言いも、
          私に反抗的なその態度も・・・。』



「・・・意味わかんない。」



頭おかしいんじゃないの?
まるでそう言っている様にあきれたような表情をみせた。



『だからさぁ、全部「かまって、かまって」って
             言うようにしか聞こえないわけ。』



いわゆる小学生の愛情表現だよね


好きな子ほどいじめたくなる・・・みたいな?




とたんに笹山は顔を赤らめる


バカにしたその物言いがそうとう彼のプライドを傷つけたみたいだ。





「っ、そういうこと普通言う?!気に入らないんだよアンタ!!」




知ってるよ、体全体でそう言ってるからね、君は・・・




「僕に、すっげーうっとおしそうな顔するくせに、
     なんかいつの間にか金吾とかと仲良くなってるし!」




・・・う、うん・・・



いや、君が私に反抗的な態度とってるからだよね?



何もおかしなことじゃないよね?


自然だよね。




「いっつも、ダサいジャージ着てるし!!」




関係なくね?

関係あんのそれ?



ていうか、いまの結構胸に来た・・・


グサッていった。



そうですね、君はオシャレ人間ですもんね。

ダサい人は嫌いだよね、許せないよね・・・


オシャレ番長だもんね・・・



って、自分でいってて悲しくなるし・・・




「・・・全部僕の思い道理になんないし、気に食わない!!」




うん・・・・



ん・・・?



すいません。




笑って良いですか・・・




『ふ、・・・はっ・・・何、それ、焼餅?』





笹山はその場にうずくまった。

耳が赤い。





やばい、なんだこいつ。

すっげー餓鬼。



かわいいじゃん

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