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私の迫力に完全にびびって弱腰のヤローどもを見渡し、
さっき、私を思いっきり殴ってくれた男に目をやる。
おそらくヤツがこの中のリーダー格だ。
私は迷うことなく、そいつの元へと足を運ぶ。
「な、なんだよ・・・てめぇごときが・・・」
強口たたいても、どもって私にびびってるのは明白である。
私が目の前まで来て、相手が一歩下がったところで
思いっきり拳をふるった。
ゴッ
鈍い音が当たりに響き、私に殴られた男は少しよろける。
「て、め・・・」
痛みによろけてる間にみぞおちを思いっきり蹴る。
「グハァッ!!!」
腕力より断然脚力のほうが強いのだ。
ましてやみぞおち、あれは相当痛いだろう。
周りにいる他の男五人ほどは、リーダー格のヤツがやられて
さらにうろたえている。
そりゃまぁ、今の私は人でも殺せそうな顔をしているだろう。
まぁ、そんなこんなで、相手がびびって動きの鈍いうちにこっちは
殴ったり蹴ったりさせてもらう。
『皆本!!てめぇーもボサッとしてんじゃねぇ!!』
いくら相手の動きが鈍っていても、男五人を私一人で
相手できるわけもないので、突っ立っている皆本を怒鳴りつける。
そこで気づいた皆本はすぐさまそばにいた男二、三人を殴った。
「くそぉ!!」
そして、ついに男たちは
まだ地面にうずくまっているリーダー格の男を捨てて逃げていった。
『たくっ、手間かけさせんじゃねぇよ・・・。』
そうつぶやいて、また口の中の血を吐き出した私を見て
皆本は口を開いた。
「・・・柏木ってやっぱ元ヤン?」
やっぱってなんだ
やっぱって
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