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「いらっしゃいませ〜」












自動ドアをくぐり、店内に入れば



かわいらしい店の制服を身に着けた女性店員の声が店に響く。








適当に二人座れそうなテーブル席を見つけて




山村と向かい合うような形で椅子に腰掛けた。










「わー、僕この店来たの初めてなんだーおいしそーだね」







ニコニコとテーブルに置かれたメニュー表を


早速開いて眺める山村。







「失礼します。ご注文が決まりましたら
そちらのベルでお呼びつけください。」






店員さんが、二人分の水をテーブルに置くと、

そのままカウンターの方へと姿を消した。












「慎ちゃんは何食べたい?」










メニューをこちらに向け、問いかける山村。





私はさっとメニューに視線をむけると





その中のひとつに指を刺した。








『ストロベリーパフェ。』







「ん〜イチゴかーじゃあ僕はチョコにしよっかなー。」







そういうと、山村はベルに手を伸ばし



やってきた店員さんに注文を伝える。









そのやりとりをボーっと水を飲みながら見ていると、





店員さんが去ってから、山村が私の顔をじっと見てから


笑みをこぼした。





『・・・なに。』







なんだか気まずくって視線をそらして


少しぶっきらぼうにつぶやけば






山村はいっそう笑みを濃くした。








「ふふふ。いや〜なんか慎ちゃんの
意外な一面を見れてかわいいな〜と思って。」









『意外?何が。』











あぁ。ストロベリーが?





聞いといて自己完結してしまった私に




思ったとおり、山村は「イチゴが好きなところ」とこぼした。










『・・・おいしいじゃんイチゴ。』





ちょっとスッパイところがいいんだ。











「うん。おいしいよね。」







やっぱり笑みを浮かべてそう頷く山村に



いい加減居心地が悪くなってしまう。








「ふふ、そんな顔しないでよー
せっかくかわいいのに〜。」





いつものごとく、シワのよった眉間を


山村の指がグリグリと押さえつけた。








『過度のスキンシップはご遠慮願います。』






眉間を押さえつけるその手を軽くはたく。









「さっきは手ーつないだのにー。」





ブーブーと文句を言う山村。









『だって山村が離さなかったんじゃん』










なんど流してもなかなか折れない山村。








「ね。山村じゃなくて喜三太っていってよ。」







めげずについにはそんなことを言い出した。







『ぜってーヤダね。』


















あらためてコイツが苦手だと認識させられた。






マジで早く終われ今日。






かゆくてしゃあない・・・

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