狼だって食べないよ(土方豪+吹雪フリリク)

2011/01/08

 
ああ、まただ。最近すごく視線を感じる回数が増えた。
誰からっていうのはわかってる。なんでかってことも。端的に言ってしまえば嫉妬。
僕は彼に嫉妬されている。

そもそもの発端は鬼道くんだ。新しい必殺技が二人技だからって、どうして僕と土方くんにしたんだろう。他にも人はいたじゃないか。
イナズマジャパンがなんて言われてるか知ってる?『超攻撃型』だってさ。
まあそうだよね。ディフェンスどころかゴールキーパーまで攻撃に参加するチームなんて、僕はここ以外に知らないもの。

そんなこんなで、僕は土方くんと組んでしまったばかりに豪炎寺くんに睨まれている。

でもちょっと意外だよね。豪炎寺くんはそういうことをしっかり隠すタイプだと思ってたから、こうして表に出すなんて思ってなかった。よっぽど土方くんのことが好きなんだね。
土方くんは豪炎寺くんにとって、僕の場合の染岡くんみたいな人だから仕方ないんだろうけど、あんまり敵意を剥き出しにされてもなあ。別に土方くんを奪ろうってわけじゃないし、興味も無いから安心してもらいたいところなんだけど。

「どうかしたか、吹雪」
「ん?ううん、ちょっとね」
「お、豪炎寺じゃねえか。おーい!」

土方くんが大きく手を振るのに気がついた豪炎寺くんは、そっぽを向くとすたすたといなくなってしまった。距離があるから自信はないんだけど、ちょっと顔が赤く見えた、ような。

「アイツ、最近口きいてくんねえんだよなあ」
「……ねえ、土方くん。練習が終わったら豪炎寺くんのところに行ってみるといいかも」
「なんでだ?」
「んー、カン?」

へら、と笑うと、腑に落ちない顔はしていたものの頷いた。鈍いってわけじゃないんだろうけど、豪炎寺くんはあまり分かりやすいほうじゃないからなぁ。同居してたときも苦労したんじゃないかな、きっと。
はてさて、くっついてるんだかいないんだか分からない二人だけど、明日になったらどうにかなってることを祈って。とりあえず今晩安眠できますように。



―――
シンさまリクエストの『第三者から見た土方豪』でした。気になっていたサンダービーストの辺りをつっこめて満足です。吹雪は男同士とか寛容そうだなと思ったのでちょうど良かったです。

リクエストありがとうございました!

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