わたしはあなたに恋をしました(吹→豪)

2010/07/23

 

それは今までの奇妙な状態を考えれば当然の結果だったのだけれど、僕は一人になってしまった。

いつだっていてくれた『僕のための僕』はやっぱりどうあっても僕のままで、でも僕ではない彼だった。

自分のことばかり考えていた僕のことを最後まで思っていてくれた、優しい僕の弟。君がいないと、すごく淋しいよ。

空っぽになってしまったみたいな僕の中身、君がいた跡が満たされない。
穴が空いていると寒いんだ。隙間からひゅうひゅうと風が吹き込んでるみたい。
凍えてしまいそうだ。

だから僕は考えた。
彼のことを忘れるわけじゃないけれど、この穴を埋められないだろうか。
ひとつになった僕らはいつも一緒だ。僕と彼が好きな誰かで、この穴をいっぱいにできないだろうか。

誰にしよう。誰がいいだろう?

そんな時、胸がいきなりとくんと弾んだ。僕は一瞬で理解した。

恋を、したみたい。

だけど、これまた相手が前途多難。男同士だし、まず恋愛に興味なさそう。だって彼は円堂くんに並ぶほどのサッカー馬鹿なのだ。

切れ長の瞳に蜂蜜ミルク色の髪。整った顔立ちだって、特徴だって、綺麗と形容出来るのに無愛想なのが勿体ない。
ああでも、他の誰にも気付かれてないのはいいこと、かな。知っている人もいそうだけど。彼のことを想ってる人なら。

そんなものを全部知ったこっちゃないと見向きもせずに、サッカーに全てを注ぐ姿はいっそ清々しい。

大事なものはサッカーと家族だけと決めてしまえるのは、ちょっと羨ましい。

彼のことを考えるだけで僕の胸はざわざわと波立つ。北風に揺れる木立のように落ち着かなくなってしまう。

ぽっかりと空いていた穴のことを、僕はもう思い出せない。満たされたのか、それとも考える余裕もなくなってしまったのかも分からない。

でも、一つだけ分かる。

僕は幸せになりたい。一緒になった『僕』と、それから君と。
それじゃあ、どうしたら幸せになれるかな?
一人じゃ出来ない謎解きを一緒にしませんか。僕と『僕』と君で、一緒にしませんか。





くした痛みがどうしても欲しくて、わたしはあなたに恋をしました。あの時亡くした痛みに焦がれて、わたしはあなたに恋をしてしまいました。



―――
一人が寂しくなった吹雪。

題:揺らぎ



それから告知。
第十回豪炎寺受けチャットを7月30日(金)に開催します。
カメさん抱えた豪炎寺の可愛らしさに悶絶した方、夏コミに行く方行けない方、熱い思いをぶちまけませんか。

今回もまた豪炎寺受けであればどんな話でもかまいません。テーマ持ち込み可です。ぶっちゃけもう豪炎寺さんについての話ならそれでいいです。
けもみみだって女装だってオールオッケー!なんだってかまいません。豪炎寺受けが好き、それが合言葉!

時間は21時半からです。前回と同じ記事が当日は一番上です。

ピンクかどうかはその場のノリです。ただし、年齢確認をさせていただく場合があるのでご了承ください。


参加にあたってのお約束。

・入室したらご挨拶
・発言に順番は無いです
・仲良くわいわいしましょう
・でも礼儀は必要です
・いきなりタメ口はダメですよ
・退室するならご挨拶

あとはチャットの基本ルールに準拠するかたちで。


約束守って、エンジョイ・チャット!


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