お手を拝借(照美と豪炎寺小ネタ)

2011/12/01


豪炎寺の手を取って、へえとアフロディは感歎の声をあげた。

「意外と綺麗な手をしてるんだね」
「使わないからな」

キーパーと違って、とまだ大人に成り切らない手をぴんと反らす。節の目立たない指の一本一本をなぞると、くすぐったそうに肩をすくめた。
爪の形を確かめるように指先を撫でる。カーブに沿って指を滑らせていたら豪炎寺の手が動いて、あっという間に絡まるように繋げられた手。
下から覗き込んでくる豪炎寺は、いたずらが成功した子供のように不敵な笑みを浮かべている。

「そういうアフロディの手こそ」
「ふふ、ありがとう」

繋がった手を引き寄せるように持ち上げて、指先に口付ける。アフロディの柔らかな金髪が流れるように揺れる。まるで光の束のようで、あだ名はあながち誇称ではないのだなと豪炎寺は思った。

「ねえ、手入れしてもいいかな」
「男の手なんかいじっても面白くないだろうに」
「そうでもないよ」
「マニキュアさえ塗らないならご自由に」
「ありがとう」

アフロディはにこりと笑った。



―――
やまなしおちなしいみなし、まさにやおい。

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