彼女は暫し、ぼうっと"それ"を見ていた。
"それ"とは、彼女が先ほどベッドの上に放り投げた、真っ黒な衣服だった。
その顔に滲んでいるのは重たい色だった。鮮やかな髪色には似合わず、目の下には薄い隈が貼り付いている。目にかかった睫が憂いを見せ、弱々しく下唇を噛む仕草からは哀傷を隠せなかった。いつしか、きゅ、と拳を作る。

「(行かなきゃ......先輩との交代の時間、過ぎちゃう)」

いつも着用している忍服に袖を通し、重たい足取りで扉へと向かった。
家を出れば待ち受けていたのは普段通りの町並み。空は雲が蔓延っているが、それはただ天気が芳しくないというだけで、やはり町を行き交う人々は何ら変わりなく。......たまに先ほど脱いだものと同じ、黒い服を身につけた人が見える程度で。
この忍世界、人が死ぬのは珍しいことではない。だがいつかの任務で知ったように、忍とて人で、ただ里の道具でいられるはずもなくーーー喪服を着た人々の顔には暗い色が滲んでいた。

町を歩いているうちに、ふっと仲間の顔が浮かぶ。亡くなった彼の部下であった三人のうち、二人だけが今朝の葬儀に出席していた。二人は涙こそ押しとどめていたが、胸に渦巻いている感情は明らかだった。下手に慰めの言葉など口にはできなかった。

「(......そういえば、あの時......)」

その二人の内 親友のほうが、私の顔を見た時、微妙に表情を変えていたようなーー。
何かを言いそうになって、慌てて口を塞いで、それで居心地悪そうに顔を逸らした親友を、怪訝に思ったままだったのを唐突に思い返した。あれは一体なんだったのだろう。それは葬儀のこととは全く別の何かのようだったのだがーー。

目的地であった病院に足を踏み入れ、顔なじみの看護士たちと挨拶を交わしつつ、とある病室に向かう。師である五代目火影に三日ほど前から、姉弟子と共に一人の患者の看病を仰せつかったからである。なんでも患者である僧侶はあの"暁"から単身木ノ葉に救助を求めにきたとか。

階段を上がり、左折する。僧侶が入院している病室はすぐそこだった。交代に少し遅れたことを姉弟子に謝ろうと思いつつ、彼女はなんとはなしに扉に手をかけた。


「......その、"銀色の漆黒"......こと、元木ノ葉の忍・風羽カナさんは、現在......この里にいるんです」


ーーーだがその瞬間、その手は止まっていた。


「彼女が...!?......元って......里を抜けていたのなら何故、」
「その三日前の"暁"との戦闘の際、彼女も付近にいたようで......殉職した方は、彼女の父親代わりだったと私は聞きました。カナさんは放心して、あっさり連行されたそうです......」
「れ、連行って......彼女は私を助けてくれたのに」
「......抜け忍、ですから」

"彼女"の姉弟子であるシズネは心苦しそうにぽつりと呟いた。それきり暫くの沈黙が病室を埋めていた。ーーそしてそれを破ったのは、シズネでも僧侶でもなかった。

ガラリ、と病室の扉が音をたてて開いた。

シズネはハッとして振り返っていた。
そこにいたのは、鮮やかな桜色の髪を誇る少女だった。

「......シズネ、先輩......」

その少女の瞳に驚愕が蔓延っているのを見つけた時、シズネはようやく自分がしでかしたことに気付いた。

「サ、サクラ......今の、話」

刹那もない。サクラはすぐさま部屋を飛び出していた。

「サクラ!!」

そう背後から叫ばれても、歩きなさいと看護士に叱咤されても、止まることなど知りはしないーーーただサクラの脳内では穏やかに笑う銀色のみが映っていた。

「(カナ!!)」


ーーー第二十六話 賭け


忍の葬式は迅速には行われないものとされている。理由としては、各忍が持つ特異な体内構造の分析の為だった。今でこそ大きな戦争は無いが、隠れ里同士の小競り合いがないわけではない。他国の忍が潜入して埋葬した忍の秘密が奪われるなど言語同断。よって仮に血継限界を持つ忍でないにしても、忍の場合 検死が行われるのは当然。葬式はそれらが全部終わった後に行われるものだった。

そして例に漏れず、猿飛アスマの埋葬・葬式も殉職した日から三日目。三代目・猿飛ヒルゼンを弔ったあの日のように、空が雲で覆われている今日、ようやく行われたのだった。

その弔いの後、ナルトはトボトボと町を歩いていた。本来なら修行をしているところだったが、どうにもそんな気が起こらないのだ。一度帰って喪服からは着替えたものの、ナルトはじっとしていられなかった。

その瞳に、まだナルトよりもまだまだ小さい少年の泣き顔が甦る。三代目の孫であり、アスマの甥であった木ノ葉丸。葬式にてぐすぐすと泣いていた、まだ忍になったばかりの少年は、嗚咽の合間に一言、おじ以外を指す言葉を出したのだ。

『......ねえ、ちゃん......!』

ナルトはそれを聞いた瞬間、息を飲んだ。だが木ノ葉丸に何も言うことはできなかった。やるせなさだけが募って、ナルトは木ノ葉丸の肩を支えるばかりだった。
今はそれを思い返し、歯を噛み締める。言いようのない想いは形にならない。ふと立ち止まって空を見上げれば、ナルトの目に映るのはやはり暗いばかりの空だった。

「......ん?」

しかしその時、不意にナルトは見知った気配に気付いて振り返った。通りはわらわらと人に溢れていたが、それに紛れて人目を引くような色が近づいてくる。

「サクラちゃん?」

ナルトは首を傾けてその姿を確認する。まだ遠目ではあるが、やはりそれはナルトのチームメイトである春野サクラだった。
ーーその桜色が唐突に跳び上がる。何やら険しい顔つきで全力疾走しているサクラは人々を避けることすら煩わしいというようだ。......何事か。一抹の不安を覚えたナルトは、大声で呼びかけた。

「おーーい!!サクラちゃんってばーーー!!!」

周囲の人々がなんだなんだというようにナルトを見やる。だが、当のサクラとはいえば全く気付かないようだ。
明らかにただ事ではなさそうな雰囲気だ。ナルトもまたタタッと走り出すーーーそしてサクラの進路を断つように、ナルトもまた屋根の上に跳び上がった。

「サクラちゃ、ってうおっ!?」
「きゃッ!」
「っとと......危ねぇッ」

前に立ち塞がったナルトすら見えなかったのか、ナルトに体当たりしてバランスを崩したサクラ。それをナルトは大慌てで支え、「フー」と肩を落とした。

「ナル、ト......」

サクラはようやくナルトを認識したように呆然と呟く。ナルトは「どしたんだァ?」とその顔を覗き込んだ。

「サクラちゃん、顔真っ青だってばよ。何かあったのか?」
「ナルト......ち、違うの!!」
「へ?」
「いいから、ナルトも一緒に来て!!」
「ちょッうおわっ!?」

するとサクラは突然 ナルトの腕を掴んで走り出したのである。そのとんでもない怪力で引っ張られてはナルトも抵抗するすべはない。強引に引きずられるように走らされ、「ななななっなんなんだってばよォ!!?」とナルトは最早情けないとしかいえない声で叫んだ。

だが、その哀れな表情も、サクラの次の一言で消し飛んでいた。

「カナが......!」
「!?」

「カナが、今、この里にいるって!!!」

ナルトの胸の中の靄が、一瞬で別のものへと変わっていく。



火影室の扉が開く。ヒールの音が部屋に響き、また扉は閉まる。長い留守から帰ってきた五代目火影、綱手はそこで長い溜め息をつき、窓際のほうへ歩み寄って里を一望した。まだ昼過ぎではあるが、綱手にはもう一日分の疲労が溜まっていた。

「(ご意見番の頑固者どもめ......)」

心中呟き、綱手は椅子に深く座り込む。机の上の書類の山の一枚を緩慢な動作でとり、筆を手にする。それから長々と書かれた文字の羅列に集中しようとしたのだが、結局その思考はかの問題から離れず、綱手は早々に筆を置いて宙へと視線を彷徨わせた。綱手の眉間の皺は火影室に入った時からずっと深いままだ。

「(......頑固なのは、風羽カナも同じか)」

今朝の地下牢での光景が、綱手の脳裏にまざまざと浮かんだ。異様に暗く静かな牢の中で、物音一つさせず動作一つせず、ただ部屋の隅に座り込んでいた風羽カナ。
綱手が初めてカナの顔を見たのは三日前、その時は気絶したまま、地下牢の寝台に寝かされていた。そして次に見たのが昨日、一度目を覚ましたカナが尋問室へ連行された時。綱手はそれに立ち会っただけで会話は何一つしなかったのだが、その内容はよく覚えていた。

『抜け忍、風羽カナ。これよりお前の尋問を開始する』

机を一つ挟んで座っていた尋問官と風羽カナ。しかしその状況でも、カナは無言で机に視線を向かわせているだけだった。

『まずは簡単な質問から始めよう。お前がこの里を抜けた動機はなんだ』
『............』
『初めに言っておくが、ここは黙秘が通用する場所ではない。黙っているだけ状況は悪化すると肝に命じておけ。どうあっても無言を貫くようであれば、こちらは即座にお前を拷問室へと連れて行く。どんな理由があれどお前は罪人だ。元木ノ葉の忍とあっても容赦はせんぞ。......もう一度問う。お前が里を抜けた動機は───』

里を抜けた動機は。大蛇丸の元へ行った理由は。この三年間一体何をしていた。何故 猿飛アスマを庇った。うちはサスケはどうした。

尋問官は容赦なく質問を浴びせていた。時には怒鳴り、時には異様なほど優しく。
しかし、カナはぴくりとも口を動かすことはなかった。それは無視をする、というよりは、聴こえてもいない様だった。視線は常に虚ろで、まるで生気がなくーーーだからこそ、だったのかもしれない。
カナが再び気絶したことに、誰もがすぐには気付かなかったのだ。

時間が経過するほど状況が悪化する、という尋問官の言葉に嘘はなかった。本来ならそれでも無理矢理起こされるところだったが、その時は医療忍者である綱手がいたからこそ、その場で看たことで続行は不可能とされた。目に見える外傷だけはその前に手当されていたが、体の内側はその時初めて検査されたのである。
普段から吐血していたのか血液量が少なく、貧血も祟ったのだろうし、それ以上にチャクラ経路である経絡系が異常なほどズタボロだったのだ。

よって尋問は一時中断され、適切な処置を施してからカナは再び寝かされていた。

「(よっぽど無理をしなければあれほどにはならないだろう......)」

経絡系への負担は忍なら誰でも経験することだ。しかし、それでもカナのそれは限度を超えていた。ある箇所のみではなく、全身がそうだったのだ。激痛が付きまとっておかしくはなかったはずだ。その負荷は休養さえとれば減るはず、なのにあれほどとは、一体どれだけの日数体を酷使し続けたのか。

「(牢に閉じ込められていればチャクラを使うこともない......経絡系は修復するだろうが、代わりに今度は拷問による外傷の不安だな......)」

二度目の溜め息をついた綱手は、再び里を見下ろす。住民たちのいつもと変わらぬ笑顔とは裏腹に、綱手の心は重い。

綱手が気に病む一番の問題は、カナが今朝も一言も喋らなかったことだった。全てを話せば拷問もない、あの神経をすり減らすような牢から移動させることもできる。だがカナが無言を貫く以上、地下牢を出すわけにはいかない。
そう言ったのはご意見番だった。その二人に先ほど綱手は抗議しに行ったのだが、返事はにべもなく。

『何を言っておる、綱手姫。例え"神人"であっても罪人は罪人。お前とてそれは分かっておるだろう』
『仮にも里を担う火影が何を言うか。例外など認められん。風羽カナも他の囚人と同じく地下牢に閉じ込めるのは当たり前だ』

揃って断固反対を示したコハルとホムラ。そんな二人に綱手は、分かっている、と語気を荒くして怒鳴り、それでも風羽カナが里を抜けた理由は恐らく、と続けようとした。しかしその前に、ならいいだろうと二人に口を揃えて言われ、綱手は結局口にすることができないまま終わったのである。ほんの一握りの理性が綱手の怪力を抑えていた。

ある個人だけを贔屓し刑を軽くするなど許されるはずがない。綱手とてそれは重々承知だった。そこにどんな理由があろうとも、罪は罪。それを里のトップが無視すると秩序は呆気なく崩れてしまう。

サイのあの話が確かならば、カナはケジメをつける為に、サスケと同じように罪から逃れられない道を選んだのだという。
本当にそうだとしたら、今の状況はカナの狙い通りだったに違いないーー。

「(どんな罪を被ってもサスケを大蛇丸から護りたかった......か。甘ったれたヤツだと思っていたが......)」

ただ一言それで済ませるには、綱手の瞳に映ったカナの背には、あまりに重たいものが乗っていた。過去に夢見て現実逃避をするよりも、現在に浸り木ノ葉で笑うよりも、カナは何より、未来を探して里を飛び出したのだろうーーー。


三度目の溜め息をついた綱手。ーーーちょうどその時だった。

この火影邸の廊下を荒々しく走る足音。
目を瞬いた綱手は、何事かと接近してくる音を待った。

その二人組が扉をぶち開けるまで、その最悪な展開を思いつくことはなかった。


「綱手のばあちゃん!!」
「師匠ッ!!!」






「すみません、綱手様......暫くは伏せていろとキツくおっしゃっていたのに」
「......いや、気にするな。きっとお前が言ってなくてもすぐバレていたさ。そんな気がしていた」

その数十分後、申し訳なさそうな顔で火影室に入ってきたシズネに、綱手はそう労りの声をかけた。それでシズネの暗い面持ちが消えるわけではないが、今となっては綱手はこれでよかったのかもしれないと本当に思いつつあった。
いつでも真っ直ぐ前を見据えていた少年と、仲間の為にと非力な自分に鞭打ってきた少女。風羽カナが何より大切にしていたという、"仲間"。

ナルトとサクラが、血相を変えてこの部屋に入ってきた二人組だった。



『師匠、カナが今この里にいるって』
『それってば本当なのかよ、綱手のばあちゃん!!!』

『お前ら...!』

綱手は柄にもなく動揺して、椅子から立ち上がっていた。扉を閉める余裕さえもたないナルトとサクラは、全力で走ってきたのだろう、呼吸は荒々しいものだった。

『どこでそれを、』
『シズネ先輩がッ......』

息苦しそうだったサクラは一旦 そこで区切り、深い息をしてからまた口を開いた。

『シズネ先輩が庵樹さんにおっしゃってたのを聞いたんです!カナが今 この里にいるって、一体、どういうことなんですか師匠!!』

サクラも、そしてナルトも強く拳を握っていた。二人とも里抜けした仲間の情報を耳にして、冷静ではいられないようだった。
綱手は僅かに唇を噛んでいた。椅子に座り直し、重い息を吐く。成長した二人の前でもういい加減な嘘が通用するはずもないことなど、とうに知っていた。

『......三日前』
『!!』
『三日前の、"暁"との戦闘の時......アスマが"暁"の一人に攻撃をしかけられた際に、自分の怪我も顧みず庇ったヤツがいた......それが、カナだったらしい。何故そこにいたのか、詳しいことはまだわかっていない。だが、アスマが死に......放心状態となったカナを、イズモたちが捕らえたそうだ』

ナルトとサクラ、二人はあまりの衝撃に暫く声が出ないようだった。
ようやくナルトが『何で...』と口にした時には、時計の音が十回近くは鳴っていた。

『それなら、何で......何でオレたちにすぐ言わなかったんだよ、ばあちゃん!!』

ナルトはずかずかと部屋に踏み込み、執務机をバンッと強く叩いていた。耳障りな音をたてて 筆立てが床に落ちる。書類も数枚、数十枚と宙に舞った。ナルトは尚も言及しようとした。

『カナちゃんのことなら、同じ第七班だったオレたちに真っ先に言うのが当たり前だろ!それなのに、何で!!』
『ナルト!!!』

しかしそれを止めたのは、意外にもサクラだった。ナルトが驚いて振り返る。

『今はそんなことどうでもいいでしょ...!』
『サクラちゃん、』
『......師匠。そのあたりのことはまた後で聞かせて下さい。でも今はとりあえず......カナの居場所を、教えて下さい』
『......聞いてどうする』
『師匠!!どうするもこうするもないです、もちろん今すぐカナに会いに__』

ーー綱手はゆっくりと瞼を下ろし、サクラの声を遮るように淡々と"その事"を告げた。

『...え?』

ナルトとサクラから同時に出た擦れた声。ナルトとサクラはまた目を見開いて、部屋には異様な沈黙が滞った。
ナルトもサクラも動けなかった。二人の心臓は部屋に響いてもおかしくないほど高鳴っていた。

『それってば......それってばどういうことだよ...!!』
『師匠、それって本当に......』

ーーその声は震えていた。だが、言うまでもなかった。冗談であるはずがない。綱手は静かに聞いていた。事実は、事実だった。

ダンッ__!

ナルトがまた執務机を叩く。そっとその様子を見た綱手の瞳の中で、ナルトの手が強く握りしめられた。
だが、ナルトの怒声は響かなかった。その手は次第に机から離れ、ナルトは静かに扉のほうへと引き返していったのである。
サクラがナルト、と呟く。オレンジ色はそこでぴたりと止まっていた。

『......ばあちゃん。それって、どこにあるんだ』

冷静な声だった。綱手は黙って顔を上げ、ナルトの背中を見る。

『教えてくれ、ばあちゃん』
『......何もしないと......脱獄させようとしないと誓うか?』
『できねェ。だってオレってば、カナちゃんのチームメイトだ。カナちゃんはオレの仲間だ。だから、それはできねェ......けど、教えてくれってばよ』

ナルトの声が部屋に木霊した。あまりに無茶苦茶な言い分だった。だが、僅かに振り向いた空色の瞳を見た時、綱手は何も言えなくなった。三年前 綱手を変えた強い意志ーーー賭けてみたいと思わされる、ナルトから溢れる自信。
綱手はその背中に応えていた。

『......この火影邸の一階に、結界を張っている忍者がいる......五代目から許可が下りたと言えば通してくれるだろう』
『......サンキュー、ばあちゃん』


『行くってばよ、サクラちゃん!!』『...うん!』ーーーあの後、ナルトは涙目だったサクラの手首を掴み、二人して火影室を飛び出していった。もし無事に見張り番を探し出せたとしたら、既に地下牢に足を踏み込んでいることだろう。
そして、その不気味な雰囲気に圧倒されていてもおかしくはない。

言ってしまったのは自分だとはいえ、あの二人があの空間を見たらどんな表情をするか、綱手は想像もしたくなかった。


__コンコン


その時 不意に聴こえてきたノック。シズネと顔を合わせた綱手は、静かに「入れ」と応答した。
扉を開けて姿を現したのは、銀髪の覆面忍者だった。


 
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