「大丈夫!ニャン太だけは絶対取るから!」
璃真はお札を次々に両替機へ入れていく。
それを見ていた獄寺と山本は頬を引きつらせた。
「ぬ、ぬいぐるみ1つに1万円・・・・・・」
「り、璃真・・・?オレ取ろうか?」
「え?武君、UFOキャッチャー得意なの?」
「まあ、それなりにな!」
「璃真さん!このぬいぐるみは、必ずオレが取ってみせます!」
「え・・・じゃあ、お願い!元手は出すね」
「いえ!そんな・・・」
「出すね!」
「お、おう・・・・・・」
璃真は変なところで、頑固だった。
****
「すっごーい!全種取っちゃった!」
隼人君も武君も、すごく上手だった!
「ありがと!」
「いえ!もったいないお言葉です!//」
ドーン・・・
ドガーン・・・
ドゴォッ!
「!!?
何の音!?」
慌てて外に出ると、ちょうど少年がツナのほうに飛んできて、ぶつかる所だった。
「フゥ太君。これ持って家に帰ってて」
「璃真姉・・・?」
「大丈夫だから。リボーン君達と、ね?」
「うん」
璃真はフゥ太の頭を一撫ですると、ぬいぐるみの入った袋を渡し、ツナの方へと駆け出した。
「ツナ!」
「10代目!!」
「大丈夫か、ツナ!」
「ゔお゙ぉい!!
なんだぁ?外野がゾロゾロとぉ。
邪魔するカスは、たたっ斬るぞぉ!!」
「ひいっ!何なのあの人〜!!?」
「・・・・・・ま、一般人じゃないのは確かだね。
隼人君、武君。ツナは任せる。あたなは・・・」
璃真は青色の炎を額に灯す少年を見た。
「・・・敵じゃないみたいだね。ケガ、酷そうだから安静にしてなよ」
そう言って、璃真は立ち上がる。
「璃真殿!どこに行かれるのですか?」
「!
私を知ってるんだ?
民間人を避難させるの。危ないでしょ」
私はそう言って、その場を離れた。
京子達はリボーン君がいるから大丈夫だ。
私は、この町の人を守らなきゃ!
璃真は崩れた瓦礫の山を飛び越えながら、人の声が集まっている方へ急ぐ。
「きゃぁぁぁ!」
「急げ!崩れるぞ!」
みんなが混乱して逃げ惑う。
そのとき、小さな女の子の真上に瓦礫が降ってきた。
「きゃぁぁあぁ!!」
タッ!
璃真は地を強く蹴り、女の子を抱きかかえて倒れ込むように飛び退いた。次の瞬間、瓦礫が落ちる大きな音が轟く。
「(うわ・・・間一髪・・・・・・)
大丈夫?どこも痛くない?」
「う、ん・・・」
「ゆーちゃん!
沢田さん!ありがとうございました!」
「いえ!
皆さん!落ち着いてください!
落ち着いて、あちらに避難を!」
「沢田さんだ!」
「並中生徒会長の沢田璃真さんだ!」
璃真の出現に、混乱が少し収まる。
「誰か、いない人はいませんか?ケガをした人はいませんか?」
璃真は避難の誘導をしながら、問い掛ける。
「あ、あの!璃真さん!」
璃真に声をかけたのは、2人の並中生だ。
見覚えがある。
「蘭ちゃんに椿ちゃん?どうしたの?」
「ひ、雛菊がいないんです!」
「たぶん、まだショッピングモールに!」
「!
わかった!あなた達は避難して!」
璃真は、爆発が起こっているショッピングモールに躊躇いなく、飛び込んだ。
「雛菊ちゃん!いるの!?」
1階・・・そして2階を探し回る。
「璃真さ、ん・・・?」
「雛菊ちゃん!」
雛菊は瓦礫の下敷きになっていた。
「大丈夫!?」
瓦礫を退かし、ケガを診る。
出血が多い・・・・・・けど、傷は浅い。
「助けに・・・・・・来てくれたんですか・・・?」
「しゃべらないで。傷に障るよ」
「ありがと・・・・・・ございます・・・」
そう言うと、雛菊は気を失った。
血を流し過ぎたか・・・。
璃真は、清めの炎でケガを治して、抱き上げた。
****
「「雛菊!!」」
蘭と椿が雛菊に駆け寄った。
「気を失ってるだけだよ」
「良かったぁ・・・・・・」
「他に、いない人はいませんか?」
璃真は逃げ遅れた人がいないことを確認してから、ツナ達のほうに向かった。
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