fragola
雲雀夢/少陰夢


Since:2010/08/01
Removal:2013/04/01





「大丈夫!ニャン太だけは絶対取るから!」



璃真はお札を次々に両替機へ入れていく。

それを見ていた獄寺と山本は頬を引きつらせた。



「ぬ、ぬいぐるみ1つに1万円・・・・・・」


「り、璃真・・・?オレ取ろうか?」


「え?武君、UFOキャッチャー得意なの?」


「まあ、それなりにな!」


「璃真さん!このぬいぐるみは、必ずオレが取ってみせます!」


「え・・・じゃあ、お願い!元手は出すね」


「いえ!そんな・・・」


「出すね!」


「お、おう・・・・・・」



璃真は変なところで、頑固だった。










****



「すっごーい!全種取っちゃった!」



隼人君も武君も、すごく上手だった!



「ありがと!」


「いえ!もったいないお言葉です!//」


ドーン・・・

ドガーン・・・

ドゴォッ!


「!!?

何の音!?」



慌てて外に出ると、ちょうど少年がツナのほうに飛んできて、ぶつかる所だった。



「フゥ太君。これ持って家に帰ってて」


「璃真姉・・・?」


「大丈夫だから。リボーン君達と、ね?」


「うん」



璃真はフゥ太の頭を一撫ですると、ぬいぐるみの入った袋を渡し、ツナの方へと駆け出した。



「ツナ!」


「10代目!!」


「大丈夫か、ツナ!」


「ゔお゙ぉい!!

なんだぁ?外野がゾロゾロとぉ。

邪魔するカスは、たたっ斬るぞぉ!!」


「ひいっ!何なのあの人〜!!?」


「・・・・・・ま、一般人じゃないのは確かだね。


隼人君、武君。ツナは任せる。あたなは・・・」



璃真は青色の炎を額に灯す少年を見た。



「・・・敵じゃないみたいだね。ケガ、酷そうだから安静にしてなよ」



そう言って、璃真は立ち上がる。



「璃真殿!どこに行かれるのですか?」


「!
私を知ってるんだ?

民間人を避難させるの。危ないでしょ」



私はそう言って、その場を離れた。


京子達はリボーン君がいるから大丈夫だ。

私は、この町の人を守らなきゃ!



璃真は崩れた瓦礫の山を飛び越えながら、人の声が集まっている方へ急ぐ。



「きゃぁぁぁ!」


「急げ!崩れるぞ!」



みんなが混乱して逃げ惑う。


そのとき、小さな女の子の真上に瓦礫が降ってきた。



「きゃぁぁあぁ!!」



タッ!


璃真は地を強く蹴り、女の子を抱きかかえて倒れ込むように飛び退いた。次の瞬間、瓦礫が落ちる大きな音が轟く。



「(うわ・・・間一髪・・・・・・)

大丈夫?どこも痛くない?」


「う、ん・・・」


「ゆーちゃん!

沢田さん!ありがとうございました!」


「いえ!


皆さん!落ち着いてください!

落ち着いて、あちらに避難を!」


「沢田さんだ!」


「並中生徒会長の沢田璃真さんだ!」



璃真の出現に、混乱が少し収まる。



「誰か、いない人はいませんか?ケガをした人はいませんか?」



璃真は避難の誘導をしながら、問い掛ける。



「あ、あの!璃真さん!」



璃真に声をかけたのは、2人の並中生だ。


見覚えがある。



「蘭ちゃんに椿ちゃん?どうしたの?」


「ひ、雛菊がいないんです!」


「たぶん、まだショッピングモールに!」


「!
わかった!あなた達は避難して!」



璃真は、爆発が起こっているショッピングモールに躊躇いなく、飛び込んだ。



「雛菊ちゃん!いるの!?」



1階・・・そして2階を探し回る。



「璃真さ、ん・・・?」


「雛菊ちゃん!」



雛菊は瓦礫の下敷きになっていた。



「大丈夫!?」



瓦礫を退かし、ケガを診る。


出血が多い・・・・・・けど、傷は浅い。



「助けに・・・・・・来てくれたんですか・・・?」


「しゃべらないで。傷に障るよ」


「ありがと・・・・・・ございます・・・」



そう言うと、雛菊は気を失った。


血を流し過ぎたか・・・。


璃真は、清めの炎でケガを治して、抱き上げた。



****



「「雛菊!!」」



蘭と椿が雛菊に駆け寄った。



「気を失ってるだけだよ」


「良かったぁ・・・・・・」


「他に、いない人はいませんか?」



璃真は逃げ遅れた人がいないことを確認してから、ツナ達のほうに向かった。




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