「お前、本当に言うことが無茶苦茶だなー」
ブルーの演説が終了し、彼女が教室に戻ってくると先に戻っていたレッドがブルーに笑いかけた。
「何よ?悪い?アタシは真実を言ったまでよ」
「そうだとしても、もう少し言い方というものがあるだろう…」
「遠回しに言ってもアタシが伝えたい事なんか伝わんないでしょ」
直接的過ぎると指摘するグリーンの意見を一刀両断で切り捨てるとブルーはからりと笑った。
豪快な生徒会長に苦労性な副生徒会長は溜息をついた。
「アタシ的には今回のオリエンテーションでどれだけの人間が生徒会に入ってくれるかの方が気になるんだけど」
肘をついて憂えるブルーに同感する様にイエローが頷いた。
「分かります。僕も美術部員が増えなかったら困りますから気掛かりです」
「イエローのとこってそんな部員少なかったっけ?」
レッドが首を傾げるとイエローは苦笑して答えた。
「はい。僕を含めて五人しか居ません」
げっ、マジで?
そんな部員少なくて部活出来んの?
お前はバスケだがイエローは美術部だ。
活動する内容も違ければ、部員が大勢居なければ部活動が出来ない訳ではないだろう。
あ、そっか。
そんな間の抜けた会話を聞きながらブルーは子供が悪戯を企む様なそんな表情をしてクスリと笑った。
ー…去年がそうだった様に今年も面白い子達が入会してくると思うのよね。
ブルーの予感は見事に的中し、後日彼女が一人ほくそ笑んだ事を知る者は誰も居なかった。