一日の授業は6時間まである。
本日は新入生の為に部活動紹介のオリエンテーションを開く事になっているので、幾人かの生徒は5、6時間目の授業を受けずに体育館に向かう事になっている。
「はぁ…やっぱり緊張しちゃいますね…」
イエローがイチゴ・オレを片手に溜息を吐いた。
「そんな気負わなくても良いんじゃない?イエローは考え過ぎよ」
「そうそう。俺みたいに気楽にいけば何とかなるって!」
「お前は何も考えてないだけだろう…」
ブルーがレモンティーを口にしてから、イエローを励ますと、レッドがお握りを片手に笑う。
そのレッドを呆れた目で見て、グリーンはイエローへと顔を向ける。
「イエローらしく、いけば良い。お前が精一杯頑張れば、必ず周りに伝わるだろう」
「…そうでしょうか?」
「そうよ!今までイエローのしてきた事が、一度だってアタシ達に伝わらなかった事がある?」
「大丈夫だって!いざという時は俺達がフォローするからさ!」
「皆さん……ありがとうございます」
自分を励ましてくれるブルー達にイエローは笑って礼を言った。
「…ふぅ。やっと終ったぁ…」
緊張はしたが、先程の昼休みの時のブルー達の言葉に励まされ、イエローは自分が所属する美術部の紹介を無事に終える事が出来た。
基本的に文化部は運動部の後になる。
後もう少しで、生徒会長であるブルーの締め括りの一言があるのだろうと、体育館の壇上を見やる。
イエローが壇上に視線を向ければ、丁度ブルーが階段を上っている所だった。
「皆、随分退屈そうね!まぁ、そんな事はどうだって良いわ。知ってると思うけど、アタシは生徒会長のブルー。アタシから皆に言いたい事は一つだけよ。高校の三年間なんて、短すぎてあっという間よ!勉強、恋愛、部活、バイトとやりたい事とやらなくちゃいけない事があるでしょうけど、精一杯楽しみなさい!何をどうしていきたいかなんて、あんた達が決めてくんだから、今は毎日の生活を楽しむ事!アタシが言いたい事はこれで以上よ」
キッパリと言い切ったブルーに、イエローは苦笑した。
「ブルーさんらしいです」
そう言えば、イエローの呟きが聞こえたのか、ブルーと目が合った。
パチンとウィンクをするブルーにイエローは本日二度目の苦笑いをした。