ボクは夢を見ているのだろうか。
ルビーは信じられない思いで目の前のサファイアを見つめていた。
時を遡ること、一週間前。
ルビーとサファイアはポケギアから連絡をしてきたブルーの「図鑑所有者は今からトキワジムに集合よ!」という掛け声と共に、お泊りグッズを持ってトキワジムへと旅立った。
一泊してからホウエンへと帰ってきたルビーとサファイアは、父親の手伝いの一環としてのフィールドワークやコンテストに出場するための準備等に追われ、顔を合わせる事のない毎日を送っていた。
右良し、左良し、場所を確認。
ここはボクの部屋。
ついでに頬をつねってみる。うん、痛い。
どうやら夢ではないようだ。
ある程度の確認を取るとルビーは、自分にしがみつくように抱き着いているサファイアをゆっくりと抱きしめた。
一週間というのは思っていたよりも長いものだったらしい。
一度抱きしめれば二度と離すものかと言わんばかりに、自分の腕は彼女をしっかりと抱きしめている。
自分で自覚しているよりも彼女に惚れているんだな、と自分の想いを再確認したルビーは一週間ぶりのサファイアを思う存分堪能した。
どれ程の時間が経ったのだろうか。
もしかしたら何時間も抱き合っていたのかもしれないし、逆に数秒しか経っていなかったかもしれない。
ぽつりとサファイアが呟いた。
「会いたかった…」
「え?」
「ルビーに会いたかったと」
頬を朱に染めて、淋しくていてもたってもいられなくなって会いに来たと告白するサファイアにつられてルビーも赤面する。
「サファイア…ボクも会いたかったよ」
そう言うとサファイアは恥ずかしそうに、けれど嬉しそうにはにかんだ。
その笑顔がとても可愛くて。
いつの日かゴールドが言っていた「女らしくない」という発言に貴方には分からないでしょうねと返す。
サファイアの内面がどれだけ女性らしく、可愛らしいのか。
その事実を知っているのは自分だけで良い。
他の誰も分からなくて良いのだ。
「ルビー?どげん意味?」
ルビーの言葉を不思議に思ったサファイアが顔を上げて、目の前の紅を覗き込む。
「ん?何でもないよ。それより、サファイア。今から秘密基地に行かないかい?」
「秘密基地に?」
「そう。しばらく行っていないから埃も溜まってるだろうし」
ルビーがそう言うとサファイアはしばらく考えて、良かよと笑顔で頷いた。
じゃあ、行こうかとルビーが言うとサファイアは窓から飛び降り、ルビーは玄関からランニングシューズを履いて彼等の秘密基地へと向かって行った。
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help me!の後日談。
頭の中の構想的にはこっちの方が早く出来上がっていたというのに文章を打っている内に二転三転した。
もう本当苦労した。
超難産。
頑張って書いた割には話纏まってない。
可笑しいな…この話の一部からhelp me!が生まれたのに…
いつか再チャレンジしたい。