くちゅり。
薄い暗闇に包まれた洞窟内でなまめかしい音が響いた。

「…っ」

荒い息遣いと小さな声。
呻き声にも喘ぎ声にも聞こえるそれは青いバンダナを頭に被った少女から発っせられていた。
少女の唇から離れた少年は拳一つ分の距離を置いて、乱れた呼吸を整える少女を満足げに眺めた。
少女が深呼吸を繰り返し、息を整えたのを確認すると、また顔を近付ける。
ふっくらとした唇に自分のそれを押し当てると少女はぎゅうと目を閉じた。
赤くほてった頬に必死な表情。
温かい唇に柔らかい肌。
それら全てを確認するようにゆっくりと撫でる。
触れられる度にびくびくと反応する少女。
可愛い。
少年の唇が弧を描いた。
引き結んでいた少女の唇を舌でわって咥内へと侵入する。
先程よりも強く反応して少女がびくびくと逃げ回った。
顔を左右に振って抵抗するので、右手を後頭部へ回し、左手を少女の顎に手をかけて動けない様に固定する。
それでも少女の舌は侵入者である少年の舌から逃げ回る。
諦めずに何度も、何度でも。
ぴちゃ、くちゅり。
水音が漏れる。
少年と少女の口からどちらの物ともつかぬ唾液が溢れた。
追い回し続けると少女は疲れたのか、降参というように動かなくなった。
それに気を良くした少年が少女の頬を撫でてぽんぽんと背中をさする。
くたりとした少女を更に味わおうと舌の侵入を進めると弱々しく胸を叩かれた。
少女の訴えに耳を傾けるべく、名残惜しいが少女の唇を解放した。
銀色の糸が少女と少年を繋ぐ。
ぷつりと糸が切れるまでその光景を楽しんだ少年が少女に紅い瞳を向けて首を傾けた。

「ー…何?サファイア」

「…も、…堪えられん…と…」

酸素を求め、肩を上下させるサファイアを無言でゆっくりと眺める。

「無理、させちゃった?」

サファイアを労って背中を撫でる。
サファイアはゆっくりと左右に首を振った。

「無理じゃ…なか。けど、今日はもう」

「じゃあ最後に一回」

サファイアの頤に指をかけて上向かせる。
小さな唇に触れるだけの優しいキスを贈るとルビーは微笑んだ。

「ごちそうさま」

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ただルサでキスさせたかっただけ\(^O^)/


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